私はティッシュ無しでは生きていけない、
ティッシュ愛好家の一人である。
高校時代は、ネピア橋本と呼ばれるくらい、
ネピア色の人生を歩んできた。
(セピアとネピアをかけたのは言うまでもない)
ある日のお昼時、携帯に一本の電話が入る。
それはご近所に住む、仲の良いお客さんからだった。
「ひろしさん、良かったらティッシュいりませんか?」
外に居たため音声が聞き取りにくかったが、
多分そう言ったであろうと勝手に思い込んでいた。
「ありがとうございます!涙が止まりません!」
断るはずもなかった。
なんせ私は、「ティッシュ無しでは生きていけない男」だからだ。
話はそれるが、
もしも女性に、「あなたなしでは・・・」なんて言われてしまったら、
正直、胸がギュンギュンして、口に含んだコーラを
盛大に吹き出してしまうかもしれない・・・
が、言われてないから今のところ大丈夫である。
話を戻すが、30分が過ぎた頃だろうか
お客さんが袋を持って、家まできてくれていた。
「はいどうぞ。」
「ありがたくいただきます!この御恩は一生・・・」
そう言う前に、足早に走り去っていってしまった。
受け取った袋を覗くと、明らかにティッシュではない何かが見えている。
なんだろう?
そこに入っていたものはなんと!!
(頂いた本物画像)
キーーーーッシュ!∑(゚Д゚)
ネピアでもなくスコッティでもなく、キーーーッシュ!!!
初めてのキシュだった。
口の中で奏でる甘く切ないメロディー。
あまりにも美味しく、そして温かい。
そう・・・まさしくそれは、初めてのキシュだった。
ー 完 ー
※この物語は、ところどころノンフィクションです。