令和5年度最終日の夜となりました

 

今日は 先週お伝えしていた

東京銀座での小品展の最終日でした

 

普段はなかなか 

私の書の活動や作品のことを

このブログでお伝えする機会がないのですが

 

今年の年度のしめくくりと

明日からの新しい日々への期待をこめて

作品のことなどを書かせていただきます

 

 

今回の展覧会は

私が所属している

「現代書道研究所」の役員による小品展

 

毎年 上野の東京都美術館で行っている

公募展「日本書展」とは

作品のサイズも 表現方法も違います

 

今年のテーマは「四季

 

作家一人ひとりが そのテーマに合わせて

言葉や用紙 表現方法を考え 作品を発表しました

 

私が今回選んだのは

陶芸家の河井寛次郎史の言葉です

 

「過去が咲いている今

 未来の蕾で一杯の今」

 

 

「今」この瞬間に「花」を咲かせているとは

なかなか意識しにくいことかもしれませんが

 

河井寛次郎氏の言葉は

 

私たちは「今」

これまでに重ねてきた時間の

全てを養分として 生きていて

 

嬉しいことはもちろん

悲しいことや 残念な経験など

すべての経験を土台として

今日

精一杯の花を開かせている

 

そして 明日 

そして未来に開くであろう

たくさんの「蕾」を抱えながら

今日を生きているのだ

 

教えてくれます

 

 

子どもたちの成長を考えると

この言葉は 

とてもフィットすると思いますが

 

実は

大人の私どもにとっても

とても励ましになる言葉です

 

むしろ 子どもたちよりも

「今日」に連なる「過去」を

たくさん重ねてきたからこそ

 

大人の私たちが「今日咲かせている」

その花の由来に想いを馳せてみたとき

 

過去に解決できなかったことや

うまくいかなかったと感じる経験にも

「価値」を見出すことができます

 

そして 

「夢」だなんて口にするのはもう

気恥ずかしいように思う大人たちだって

 

実は その腕の中に

 

未来に開かせるであろう

「蕾」を抱えているのだと考えると

 

たとえば「今日」

うまくいかなかった 辛かった

そんな出来事も

 

明日や 未来に咲く花の養分となると知り

凹みそうな気持ちも 

明るく転換できそうにも思えてきます

 

 

 

弥生三月 つごもり

年度の最後となります

 

子どもも 大人も

誰もが「未来に開く蕾」を

抱えながら 生きている

 

そう

信じながら

 

新しい年度の 

時を重ねていきたいものです

 

感謝をこめて

 

 

  2024.3.31

                秩父ふたばこども園 副理事長 根岸和美

               (書号 根岸司黎)