鶴見俊輔さん死去 | 霽月日乗・ホーマーEのブログ

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個人の備忘録です。

哲学者の鶴見俊輔さんが亡くなりました。享年93歳。

海軍軍属時代に岳父と同僚だったこともあり、僕が書店でフルタイムで働いていた頃にはよくご来店され、当時の話を伺いました。ご活動のありようや書かれたものから随分恐ろしい人だという印象でしたが、実際はとても柔和でユーモアに溢れていて、直接間接にいろいろなことを教えていただきました。大学時代に読みかじって放ったらかしになっていたジョージ・サンタヤーナを読み直すこと、単なるユーモア作家だと見ていた佐々木邦が大変重要な作家だということ、人として生きる上で神谷美恵子の著作を読むことが大変な参考になること、そして何より、大学などの研究機関に属してなくともモノを考えることはできるということ……もっとも、いずれも道半ばにして、僕は常に停滞中ですが。

最近の安保法案、鶴見さんはどうお考えなんだろうと新聞その他を注意して見てましたが、一向に記事にならないことから、ひょっとして、とは危惧しておりました。やはりもう相当衰弱されてたんですね。このブログでは政治的なことには触れませんが、恐らく彼なら単なる賛成反対の二元論ではなく、もっと重層的な考えかたをしていると思う。このタイミングで彼が退場したということに対して、象徴的だとか何とか余計な憶測や物語は付与しませんよ。物事を考えるということは空気を読むことじゃない。きっと彼なら、こういう時こそ、地に足をつけてしっかり考えなさい、っておっしゃるに違いありません。

ご冥福をお祈り申し上げます。