語学留学について思うこと | 霽月日乗・ホーマーEのブログ

霽月日乗・ホーマーEのブログ

個人の備忘録です。

元エビ中の小池梨緒さんが昨日のブログで1年間の語学留学に旅立つことを報告しています。


同じく元エビ中の杏野なつさんや鈴木裕乃さんも短期ながら語学留学してましたね。この二人は学校のプログラムの一環だったようですが、梨緒ちゃんもそうかな?

まあしかし、制度はどうあれ、彼女らは語学の習得ということにそれだけ意欲を持っていて、またご家庭もそういう意欲をしっかりバックアップされるご家庭だということです。今は3人ともエビ中を離れましたが、つまるところエビ中とはそういう子たちが集まったグループなんですね。

僕自身は彼女らの年頃(3人とも現在中5です)に留学の経験はありませんので、そのありようが今ひとつわかりませんが、うちの家の人や大学時代の同期の友人らはそういう経験を持っていて、その彼らは今でも英語が達者なので留学の効験はあらたかなのでしょう。

自分のことを言えば、英語は苦手でしたね。学校での英語の成績だって決してよかったわけじゃない。興味もさほどありませんでした。それで大学に入って、英文科に行けばいやでも勉強させられるだろうから英語ができるようになるかも、というひどく幼稚な動機からその道に進んだのですが、大学時代にはちっともできるようになりませんでした、当たり前ですが。

でも英語で書かれたものを読む、その読み方というのかな、それは少しずつですが何とか身につきましたし、今はそれを商売にしているわけですが、いまだに英語が得意だという実感はありません。とにかく自分は何もわかっちゃいないという現実を日々思い知らされています。まあでもどんな道もそんなものなのかも知れません。

僕の経験では、英語の運用力の進展には段階がある。例えば駅で目的地までの切符を買うとか、レストランで食べたいものを注文するとか、道に迷って人にたずねるとか、こういうことは現地に行って何週間か滞在すればすぐにできるようになります。普段使う語彙とか言い回しなんてそんなに多くありませんから。日本語だってそうでしょう。試しに自分のしゃべったことを文字に起こしてみればわかります。大したことは口に出してないはずです。

次の段階は、例えば英語で商談するとか、ミーティングで発表するとか、弁論大会に出るとか、英語劇をやるとか、やや複雑な表現を駆使しないといけない場面を切り抜けること。これだって別に留学なんてしなくたって、ある程度の場数を踏むというか、少し意識して練習すれば短期間で何とかなる。おそらく1年間ていどの語学留学で習得できるのは、英語力でいえばこの辺りまででしょう。

問題はその先なんですね。例えば向こうの人と取引の話をする、それが終わると食事でも、という段取りになりますね。すると途端に普段使いの英語になる。あるいはその人の文化圏で流通している英語になる。これは難しいですよ。言って見れば、語学の教科書や商談の場の英語はある一定の枠がある、テストの範囲が決まっていて、そこだけ勉強すればいい、そんな感じ。でもそういう枠というかリミッターがはずれると、参照すべきことがらが一気に増える。聖書やシェイクスピアやギリシャ・ラテンの古典とかが無意識にかつ無慈悲に引用される。何のことかわからない。これは辛いですよ。

さらに、僕の今まで経験した中でもっとも険しかったのは、何かの拍子で英国大使館のお食事会におよばれしたことがあって、たぶん立食だろうと高をくくって気軽に出向いたところ、本格的なディナー、しかも食事が進むと自己紹介を兼ねて何かその日に因んだ話をしろといいます。あれは困りましたね。どんなことを話したかいまだによく思い出せない。よく文法や発音なんてどうでもいい、自分の言葉で相手に伝わりさえすればいいなんてことを言う人がいますが、こういう場で自分の愚鈍さを晒さなければならない経験をすると、やっぱりエレガントに、知的に自分を表現したい、そういう風になりたいと強く思いましたね。思うだけでなかなかそういう域には達しませんが。

さて、長々と偉そうに語学談義をぶって参りましたが、ここで言いたいのは、若い頃の語学留学は、それができる環境にあればもちろんした方がいい。英語に対するフィットネスが向上するというか、少なくとも僕のようにずっと不得手感を引きずることがなくなると思いますから。でも、本当の意味で英語ができるようになるには、英語文化の総体を一身に引き受けないといけないし、これは留学すれば身につくというものでもない。そのための研鑽は恐らく一生続きます。でも、僕みたいな年齢になっても日々新しい発見はありますから、苦しいことばかりでもない。要するに意思のあるところ道は通じる、ということですかね。

英語ができるようになりたい、留学もしてみたい、でも諸般の事情から今すぐには無理、という若い方、思い続ければそういう機会は遅かれ早かれ必ず訪れます。大切なのは、そういう機会が訪れた時に、その機会をつかむだけの準備ができていること。だから月並みですが今できることをしっかりやっておく、という一語に尽きます。

今日はガラにもなくちょっと真面目なこと書いちゃったなあ。まあたまにはいいか。