うちの二人の子供もその小学校にそれぞれ6年間通いました。僕は運動会をつごう12回楽しみましたが、それも下の子が卒業したので去年で終わり、今年、こうして家にいて運動会の音だけ聞いているのが不思議でもあり、また少し寂しくもあります。
子供ができる前は、つまりはこちらもまだ親ではなく子供の延長だった頃は、小学校の運動会などに微塵も興味はなかったのですが、親になり、自分の子が出場する運動会に参加するようになると、この行事にすっかり魅了されました。特に低学年の子達は、競走にしてもダンスにしても、何をしても愛くるしい。小さきものはみなうつくし、とはよく言ったものです。
小中高と自分自身が運動会に参加した思い出、自分の子供が出た運動会の思い出、それぞれ種類は違えど、どちらも懐かしいものです。
エビ中の最後のインディーズ曲に「もっと走れっ!!」というのがあります。
運動会をテーマにしたこの曲、オッフェンバックの『地獄のオルフェ(天国と地獄)』をモチーフにしながら、サビのメロディが非常に叙情的で美しい、前山田音楽主任の渾身の作ですが、秋のこの時期に聴くとまことに気持ちがいい。僕も去年まではただ聴いて楽しんでたものですが、いまこれを聴くと、子供の運動会を見に行くことがもうないという喪失感が加わって、この曲に対するノスタルジーがさらに倍加された気がします。
エビ中現場で知り合った同年代の方々は(みなさん経歴はどうあれ)独身者が多いのですが、恐らく(あくまで僕の憶測ですよ)この同じ喪失感、つまり子供の運動会に関係者として参加する機会を逸した(あるいは僕のようにもうその時期が過ぎた)ことによる郷愁の思いを胸にこの曲を聴かれていると思います。若い方はどうかな?
エビ中というのはそういうグループなんです。彼女らのパフォーマンスは、実際に見えている部分以外の文化的バックグラウンドがとても豊かなんですね。この味を知ってしまうとなかなか抜けられません。それがいいのか悪いのか、渦中にいる自分には判断がつきませんけど。

