HIDEKI SAIJO IN HONG KONG!  

 

 

先日の「のどもと過ぎれば・・・」で使われていた写真の元記事、「毎日グラフ」をご紹介します。

あらためて読んでみると、秀樹さんの本来の魅力をとてもよく書いてくださっていて、当時の香港のファンの皆さんの様子もわかり、胸が熱くなります。

文章もたっぷりで、ちょっと長いですが、おつきあいください。

 

なお、毎日グラフは1ページのサイズがA4より大きくて、大きな写真はスキャンしてからソフト上でつぎあわせています。

つなぎ目がわかっちゃうかもしれませんが、気になったらごめんなさい。。。

大事に保管はしていたものの、写真の濃い色のところはキズやかすれがあります。

なにとぞご了承くださいませ。

 

 

<香港ギャルを熱狂させる西城秀樹の新しい魅力>

 

毎日グラフ(1)

(香港最大のホール「香港コロシアム」で1万3千人を酔わせた秀樹の熱唱)

 

 バンドが引き揚げ、場内が明るくなる。コンサートは終わりだ。なのに、拍手が鳴りやまない。いくつもの「アンコール!」という声が重なりあい響きあう。

一分。二分。アンコールを求める声は、床をドンドン踏みならす実力行使に移った。

三分。四分。バンドがスタンバイ。拍手が一段と高まる。

ヒーロー・西城秀樹の再登場だ。

秋だというのに香港の夜は熱かった。

 

毎日グラフ(2-1)

(アンコールに応えてステージに再登場した秀樹 その顔にはコンサートを成功させた充実感があふれていた)

 

毎日グラフ(2-2)

(ファッショナブルなステージ衣装やアクションも観客にアピールした)

 

毎日グラフ(3-1)

(アップテンポの曲からスローバラードまで 24曲を歌った)

 

毎日グラフ(3-2)

(英語ばかりでなく 時には覚えたての広東語で客席に語りかける)

 

毎日グラフ(4-1)

(「HIDEKI!」黄色い声にまじって男性ファンの声援も聞こえた)

 

毎日グラフ(4-2)

(バイオリンで音楽歴が始まり 小学生の頃からジャズスクールに通い ドラムを叩いているところをスカウトされた ドラムの腕はプロ並み)

 

毎日グラフ(5)

(カッコいい~~)

 

毎日グラフ(6)

(香港の景色をバックに)

 

香港のトップ・アーチスト

 

毎日グラフ(7-1)

 

 「そでに引っ込んでからアンコールの拍手が始まるまで、胸がドキドキしてるんです。アンコールがくるかどうかでそのコンサートの成果がわかりますから」

 十月十四日、香港コロシアムで超満員の一万三千人を集めたコンサートは、大成功だった。万雷の拍手に迎えられた西城秀樹の顔には会心の笑みが浮かんだ。

 今回で四度目のコンサートを成功させた秀樹は、香港ではまさにトップ・アーチストだ。地元のミュージシャンはもとより、あのロッド・スチュアートよりも客を呼べる歌手として、在香港の欧米からの特派記者たちにも注目されている存在なのである。

 円高に比例して、日本人歌手あるいは音楽グループの海外進出は年々盛んになっている。言葉の問題などもあり、アメリカ本土やヨーロッパでのデビューはやはり難しいが、とりあえずの足がかりとして東南アジアでのコンサートツアーをする歌手が近年は多い。名前をあれこれ挙げるまでもなく、香港公演を一度でも実現させた日本人歌手は十指に余る。

 だが、大半は一過性で終わってしまい、秀樹のように定期的にコンサートを開いたり、レコードをリリースしている例はない。なぜ、秀樹だけが香港に根をおろすことができたのか?

 英国に統治されている香港の言語は英語と広東語だ。ショッピング以外は日本語など通じない。日本人が外国のアーチストを受け入れるときに、純粋に音楽性で評価するように、言葉が通じないときは音楽性、歌手としての実力だけがクローズアップされる。まだ日本では”御三家”時代の名残でアイドル視されるところのある秀樹だが、そういう先入観のない香港ではシンガーとしてかえって自由にその実力を発揮できるのだろう。”サイシェン・サイシー”(香港での西城秀樹の呼び名)は、”日本の”という冠なしに独り歩きしているのだ。

 

毎日グラフ(7-p1)

拡大写真(秀樹の行くところ常にファンあり 気軽にサインに応じたり声をかけたり その優しさがファンにはたまらない)

 

 

ヒデキは憧れのトーキョーの象徴

 

毎日グラフ(7-2)

 

 香港での人気を裏付けるのは、観客動員数やレコードの売り上げ枚数ばかりではない。秀樹がCFに出ている時計メーカー・シチズンの東南アジア市場での売り上げが増加している。

 香港シチズンでは東南アジア一帯で”フロム・トーキョー”キャンペーンを行っている。秀樹はこの春からそのイメージ・キャラクターをつとめ、テーマ・ソングを歌っているのである。

 

(注:アルバム「From Tokyo」に収録の「City Dreams From Tokyo」ですね)

 

 ファッションがパリに肩を並べるようになった東京は、様々な面で世界に国際都市として認識されている。とくに同じアジアも国々にとってニッポンのトーキョーは、憧れの都。日本人がかつてフランスのパリにこがれ、今なおニューヨークに視線が向いているように。

 自由貿易でブランド品が本国並みに買える香港だが、若者にとって日本の原宿や六本木に行くこと、そこで買ったものを身につけることが一番のおしゃれなのだという。秀樹はそういう憧れのトーキョーの象徴なのだ。

 秀樹の支持層の大半は、二十代のOLで、そうしたトーキョーへの関心が深い世代だ。

 博報堂の西田元喜さん(香港駐在)の話によると、「東南アジアでも人気のある日本のタレント何人かをリストアップして事前リサーチしたところ、人気度・知的イメージ・明るさ・清潔感・・・すべての条件を満たしているのが西城秀樹だったわけです」という。

 香港ギャルは積極的で、ホテルのロビーで待ち受けていて、秀樹をアッという間に取り囲んでしまう。取材とか写真撮影などなんのその、である。それゆえにスター意識が強く、ファンとの間に垣根を作ってしまうタレントは、洋の東西を問わず、受け入れ難い。

 シチズンのキャンペーンは、テレビ、ラジオ、ポスター等のトータルな形で展開され、シンガポール、バンコクでも行われている。秀樹個人の人気とキャンペーンとの相乗効果で、東南アジアの秀樹ブームはさらに大きくなっていくだろう。

 

毎日グラフ(7-p2)

拡大写真(おとなの魅力?!)

 

毎日グラフ(7-p3)

拡大写真(どこでも 誰とでもすぐ仲良しに)

 

毎日グラフ(8-p1)

(元気のいいギャルがワッと群がる おじさん おばさんたちは少し離れたところから「サイシェン・サイシー」と声援を送る)

 

 

おとなの歌手へ見事に変身

 

毎日グラフ(8)

 

毎日グラフ(8-p2)

拡大写真(午後いっぱい現地記者の取材を受ける 香港到着以来 地元新聞に秀樹の記事が載らない日はなかった)

 

 「愛されることがアイドル」と秀樹は言う。だが、アイドルでいることがすべてではない。「あくまでもシンガー」なのだ。

 若くしてデビューした歌手には、必ず”おとなへの脱皮”がつきまとう。秀樹にもその時期がやってきた。その引き金になったのが、二年前の病気だった。

 ヒット・チャートを走り続けてきた彼は「低髄液圧症候群」という病名で突然仕事停止を命じられた。入院二ヶ月、自宅療養二ヶ月。まったく仕事から離れ、あり余る時間を、自分を見つめて過ごした。

 「シンガーではあるけれど、ひとりの人間として自分の人生を大事にしなくちゃいけない。音楽ばっかりがむしゃらにやってきて、それはそれで良いことだけど、人間として一般常識を知らない幅の狭い人間になっていたんじゃないかと自分を省みて、黄金のスタッフがいても、その上に乗っている僕がメッキじゃ困る。ダイヤモンドにならなくちゃと思ったんです」

 愛される ― ”れる””られる”の受身から能動的な生き方に変わった。ちょうどそれを待っていたかのように、海外に目を向けた仕事が多くなった。それが香港での活動であり、バリー・マニロウとのデュエット「腕の中へ」のレコーディングだった。

 いわゆる世間でいう大ヒットとはこのところ縁がないけれど、狙い通りの成果は得ている。たとえばこの秋に新しく出たオール・イングリッシュのスタンダード・ナンバーを歌ったアルバムがそのひとつだ。

 

(お、名盤「STRANGERS IN THE NIGHT」ですね)

 

 「僕と同世代の、おとなの人にも楽しめる歌を」という彼の願いはうまく実現されている。

 歌にメッセージをこめられるおとなの歌手が、ひとり、誕生した。

 

 

音楽性を認められるだけなら、ミュージシャンという方向もいいでしょう。

「アイドル」が入り口だったことで遠回りはしたかもしれないけれど、大勢のファンを大切にする心は、より培われたのではないかと感じます。

香港でもそういった気さくな面が秀樹さんの大きな魅力であったようです。

 

それと、博報堂の西田さんのお話にもあった「明るさ」と「清潔感」。

これ、けっこう大事で、、、

バーモントカレーをはじめ、食品のCMが長く続けられた理由がよくわかります。

 

若い頃の病気でも、「あれからダメになったね」ではなく「大人へのステップアップのきっかけ」と言ってもらえるような、ブランクの間の努力があったのですね。

やはり、普段から周りがちゃんと見えている人だった。

 

本文でも触れられている「City Dreams From Tokyo」、今聴いてもスタイリッシュで色あせてない。

これからオリンピックも含め、さらに多くの海外の方々をお迎えすることになりますが、歌詞の内容もそれにふさわしく、いいプロモーションになりそう。

いかがでしょうかねぇ。

まあ、聴いて見てください。

 

 「City Dreams From Tokyo」

 

いや、しかし、もう少し私も大人だったら、香港行ってコンサート見たかったなぁ。。。

 

 

今日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。