アニメ「坊ちゃん」と「姿三四郎」  

 

 

先日、漫画家のモンキー・パンチさんが亡くなられました。

 

「ルパン三世」があまりにも有名ですが、モンキー・パンチさんがキャラクターデザインしたアニメに、秀樹さんがアフレコをしたことがありました。

今日はモンキー・パンチさんをしのんで、そのアニメの記事をご紹介します。

 

 

ファミリースペシャル「坊ちゃん」(1980年6月13日 フジ系で放送)

 

TVガイドに見開きで載りました。

 

TVガイド 坊ちゃん

 

左上の円内に写真がある秀樹さんはもちろん、「坊ちゃん」の声を担当。

 

「セリフだけって難しいよ。でも小さい時から大好きな”坊ちゃん”をやれたんで楽しくって」と秀樹はノリっぱなし。

 

ホントに、いろんな仕事してましたねぇ。

まさか、アフレコやるとは思いませんでした。

 

つづいて、アフレコが決まった頃のTVガイドの記事。

 

<秀樹、アニメ「坊ちゃん」の吹きかえに挑戦>

 

週刊TVガイド

 

 西城秀樹が、夏目漱石の名作「坊ちゃん」に取り組むことになった。といっても、これはフジテレビがアニメ化する「坊ちゃん」の声を担当するもの。

 

 「坊ちゃん」は、「老若男女だれもが知っている素材なのでアニメにはピッタリ」(フジテレビ・映画部)というわけで企画された。これまで、高橋貞二、池辺良などで映画化され、市川染五郎、津川雅彦、竹脇無我でドラマ化されているがアニメ化は初めて。

 

 原作は、明治39年、四国・松山の中学へ赴任してきた新米数学教師が、教頭の赤シャツ、野だいこと対立したあげく、松山を去るまでを、マドンナとの淡い恋をからめて描いている。今回のアニメでは、坊ちゃんと生徒たちの交流にウエートを置く。

 

 この坊ちゃんの声を担当するのが西城秀樹。彼の持っているバンカラな面とそう快さを買われたもの。制作は、「ルパン三世」の作者であるモンキー・パンチがキャラクター作りを担当、脚本の福田善之とコンビを組み、”新坊ちゃん”に挑戦する。

 

 このアニメ、6月13日夜7時30分から90分番組として放送されるが、昨今の”教師ブーム”に乗って話題を呼ぶかどうか。

 

秀樹ファンへのサービスなのか、劇中では月の浜辺で松山城をバックに「荒城の月」を歌うシーンがありました。

ちなみに、赤シャツ=八奈見乗児さん、山嵐=納谷悟朗さん、うらなり=山田康雄さん、たぬき=永井一郎さん、など豪華声優陣。。。

 

 

ファミリースペシャル「姿三四郎」(1981年6月8日 フジ系で放送)

 

富田常雄の同名小説、天才的な柔道家の成長を描いた物語のアニメ化。

秀樹さんは「坊ちゃん」に続いて、2度目のアフレコ。

三四郎の彼女、乙美(おとみ)の声には岩崎良美さん(「タッチ」を歌うずっと前です)。

 

これまたTVガイドの記事。

 

姿三四郎アフレコ

 

余裕がでてきてアニメの口の動きとセリフが合うようになったらしい。

 

私もアニメは好きでしたから、よほどうれしかったらしく、放送当日の新聞の切り抜きも置いていて、

 

1980年6月13日

 

ナレーションは当時話題の落語家、三遊亭円丈さん。

 

アニメ雑誌も「姿三四郎」が出ているものはおねだりして買ってもらったみたい。

この雑誌(「アニメージュ」かなぁ?)の記事は、専門的な内容も多くて、そのあたりは割愛させていただいて、モンキー・パンチさんの原画が出ているところの一部をご紹介。

 

”青春もの”には欠かせない”モンキー・パンチ・キャラ”

 

姿三四郎

 

 左の写真は、モンキー・パンチ氏の線画のキャラ設定に色をつけたもの。(これをもとに、さらに友永氏が設定しているのが、他のセル画のキャラ。友永氏の描く三四郎の顔は少し違いはあるが、基本的な線は尊重して仕上げてある)

 

 前作「坊ちゃん」でもそうだったが、明るく、一直線な男を描くのに、このモンキー・パンチ・キャラは欠かせないものになったようだ。「竹内演出もよかったが、モンキー氏のキャラも、じつにふんい気があってよかった」というファンの声が前作では多く聞かれたほどだ。

 

 このキャラに西城秀樹の声がよく合っている。これだけでも期待できる作品。

 

 

記事内に出てくる友永氏とは作画監督の友永和秀さん。

あの「カリオストロの城」のカーチェイスのシーンを作画したアニメーターさん。

スタッフとして相当実績のある方々が原画を描いていたようです(詳しい方が聞けばきっとわかる方々)。

 

モンキー・パンチさんのキャラクターはどれも動きがテンポよく、シュッとしていてカッコよかったのです。

特に女性キャラは、みんなの憧れ、「ボン、キュッ、ボン」。

 

なんともうれしかったのは、このようなアニメ専門雑誌で「声が合っている」と書いてもらえたこと。

声優が本業でない人がアフレコをするとき、あまりこんな風には書いてもらえないことが多いから。

 

でも、どちらの作品も、声がとてもよく合っていたんです。

ホントに、器用な人だったんだと思います。

 

原作でも有名な、三四郎と乙美さんとの出会いのシーン(下駄の鼻緒をつけてあげたのよね)、もちろんあります。

 

出会い

 

あらゆる世代に受け入れられた偉大な漫画を生み出した方がまた、平成とともに旅立っていかれました。

「ルパン三世」をはじめ、その作品たちはずっと生き続け、語り継がれていくことでしょう。

 

どうか安らかに。。。

 

 

今日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。