午後半休をとろうと思っていた22日。
社長の命により、名古屋へ挨拶回りなどへ。
その帰り、新幹線を京都で降りて、数年ぶり2回目のアヴァンギルドへ。

彼の存在を知ったのは、10年以上前。
現在は(いまもあるのか?)ゴス&ロリータ系雑誌になってしまったが、
当時は原宿の歩行者天国にいるおしゃれさんのスナップ盛りだくさんだった雑誌。
(懐かしいなぁ。中3の受験の夏、たまたまコンビニで出会ったこの雑誌と載っている人々に
めちゃくちゃ影響受けたなぁ。今の私をつくる基になったといっても過言ではない。)

そこに無表情でラフ~なかっこで載っていたのが彼。
当時のその雑誌とは全然違うスタイルだったので、
なんでこの人が載ってるんだろう、
変わった名前だなぁ、なんて読むのか、と印象に残っている。

「七尾旅人」
今年、彼のアルバムが発売になってから、
いろんなところで名前を見たり聞いたりしていたので
とっても気になって聴いた。彼の音楽を初めて聴く機会だった。
へんてこ!でも気になる!
よくある「わざと奇をてらった」系ではない、と感じた。
何度も何度も聴いた。ハマった。
わたしの気分のアップにもダウンにも、ハマった。

アルバムのツアーは大阪でもあったけど行けず、
その後も彼の名前を耳にすることが多く、
これは、今、観ておかないとと思って
ツアー締めくくりの京都公演にいけることとなったのである。


前置きが長くなったけど、
とにかく、観れてよかった。観といてよかった。いま、だった。

独特な雰囲気はCDから出ていたものと相違なく、
より鮮烈に感じられたし、
生でこんなこともやってのけるのか、というライブ感がひしひし。
期待通りで、期待以上で、安心できるし、ドキドキするし。

MCで、彼が幼少の頃や20前半の頃の話しをしていて
なるほど今の彼を作り上げた過程がちらりみえた。



感情や想いを表現するって、改めてすごいことやなぁ。
最近思うのは、怒れない自分の存在。
自分は何をされたりしたりするのが嫌なのか。何に対して怒るのか。
それは、順番抜かすなとか電車で電話するなとか、一般常識的に怒ることとは異なり、
自分そのものが「どう」なのか、という怒りの種類。
むかーし某マンガの主人公が
「その人を知るには、その人がなにに怒るかを知れ」と言っていたのを
なぜだか鮮明に覚えていて、最近はその言葉をよく思い出す。
言い換えれば、譲れないものはなんだ?ということなんだと思う。

自分ですらわからない自分の感情を歌などで「表す」というのは、
自分ととっても向き合って戦ってるか
なににも遮られることなく素直に発することができるか。

七尾氏は、後者なような気がする。
それはまるで大人の分別ももった子どものようでもある。
芸術家とは、そういうものなんだろうけど。
七尾氏を観ていて、また自分の「怒り」について考えさせられた。
(別に七尾氏が怒りを表現しているというわけではない。)

発する、て
いいなぁ。


そして、今の自分の状況やこれまでを振り返るこんな年末に
改めて『Rollin' Rollin'』に出会えたことに感謝。



"Rollin' Rollin' 回り続ける 運命に 運ばれて"



>tsykさん
七尾氏のCDを貴店で聴いた時、tsykさんが「ブルースの要素も入ってる」
的なことをおっしゃってましたが、
ほんとにそうだなぁとライブを観てわかりました。
一聴してそれを感じたあなたすごい。