隣近所の人は知らない「これから10年で600万円」儲かる簡単手続き 銀行や役所に申請するだけで…
自宅を売って1000万円で「美しい農村」に引っ越し、夫婦は崩壊した
銀行預金を見直すだけで
妻が倒れて緊急手術することになった。夫の介護が必要になり、老人ホームの一時金を工面しなければならなくなった……。そんな想定外の事態に襲われてから「おカネがない」と嘆いても、あとの祭り。明暗を分けるのは、事前の備えだ。
手始めに、今すぐ着手すべきことがいくつかある。まずは銀行預金のネットバンクへの切り替えだ。昨今ではどの銀行もネット口座の普及に力を入れているが、利用者増を狙って通常の預金では考えられないほどの高金利を付けている。
【写真】125万人が忘れている「申請しないともらえない年金」をご存知ですか
たとえば、あおぞら銀行「BANK」口座の金利は普通預金で年0.2%。またオリックス銀行「eダイレクト定期預金」の金利は5年で年0.27%、7年で年0.3%。いずれもメガバンクの100倍を超える破格ぶりだ。
「預金全額を移さなくとも、夫婦でそれぞれ500万円ずつ預ければ10年間で約20万円トクできます。ネットから申請する必要はありますが、特別な利用条件はなく、誰でも申し込めます」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏)
また、加給年金の申請と特別支給の老齢厚生年金の申請も忘れないようにしよう。
「定年後に使える諸制度の中で、一番大きくトクできます。たとえば夫が65歳で妻が55歳の夫婦なら、妻が65歳になるまでの最大10年間、夫の老齢厚生年金に『加給年金』として年額約39万円が上乗せされる。いわば年金の家族手当にあたるものです」(ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏)
色々な場所からお金が出てくる
加給年金は「厚生年金の被保険者期間が20年以上」「妻の年収が850万円未満」という条件を満たせば誰でも受け取れ、さらに申請を忘れていた人は5年前までさかのぼって受給もできるという太っ腹な制度だ。ただし妻が年上の場合は受け取れないので注意したい。
一方、特別支給の老齢厚生年金は夫が61歳以上、妻が56歳以上なら受給資格があるが、計算が複雑だ。正確な金額は年金事務所で確認しよう。
現在65歳で、定年したばかりの人は、年金事務所に行ったその足でハローワークにも行き、高年齢求職者給付金の申請を済ませたい。個人差はあるが、最大で退職前の日給の80%×50日分を受け取れる。受給期限は離職後1年で、期限を過ぎると一切受け取れないので早めに手続きしよう。
また細かいと思うかもしれないが、今のうちに済ませたいのがマイナポイント第2弾の申し込みだ。「マイナンバーカードを健康保険証として利用する手続き」と「年金・給付金の受け取り口座を役所に登録する手続き」をしたうえで、今年6月30日から来年2月末までに申し込むと、最大で2万円分のポイントが受け取れる。夫婦でやれば4万円のトクだ。
自宅のリフォームを考えているなら、期限が迫っているこどもみらい住宅支援事業も忘れずに利用しておく。今年10月終了の予定だったが、「物価高騰緊急対策」として来年3月末まで延長されたから、それまでに工事契約を結ぼう。手すり設置、段差解消、衝撃緩和畳への交換などさまざまな工事で最大30万円の補助金をもらえる。
日本の年金や補助金は「申請主義」のため、役所のほうから親切に教えてはくれない。一方でこれらの制度は門戸が狭いわけではなく、手続きも単純だ。しかも、ここまでの手続きを全てこなせば合計で約290万円もトクできる。知った以上は、みすみす見逃す手はないだろう。
電気代をセーブする
ここまでが基礎だとすれば、次に紹介するのは応用編だ。燃料費の高騰で、ただでさえ高い電気代やガス代が、今後さらに高騰するかもしれない。そこで検討したいのが電力会社を新電力に乗り換えること、特にガス会社とまとめる手続き。
たとえば中部電力と大阪ガスの共同出資会社で、関東一円で利用できる「CDエナジーダイレクト」では、プラン次第で、東京電力と比べて年間8000円~1万円ほど安くなる(2人暮らしの場合)。10年積み重なれば、決してバカにならない。
居ながらにして稼げる手段として、いま注目されているのがクルマのシェアだ。
「個人同士のカーシェアリングを仲介するサービスがいくつか出てきています。最大手の『Anyca』にネットから登録すると、1日あたり約4000円の報酬を得てマイカーを貸し出すことができる。月に2日貸し出せば年間9万6000円、10年で100万円近い収入になりますから、クルマに乗る機会が減ったなら利用価値はあります」(前出・風呂内氏)
ただし、カギの受け渡しや入出庫時に自分で対応しなければならない、クルマに多少のキズがつく恐れがあるといったデメリットもあることを覚えておこう。
ここまでの時点ですでに、知識のない人とは大きな差がついているはずだ。さらにダメ押しとして、日々の雑費やレジャー費用、買い物についても、少しの工夫を心がけよう。
グリーン車に乗り放題
実家の老親のもとへ通うなど、意外と頻繁に乗ることになる新幹線代は「えきねっとトクだ値」(JR東日本)や「早特」(JR東海)など事前予約サービスでセーブする。
「『えきねっとトクだ値』では乗車の20日前までにネットで予約すると運賃が最大半額に、『早特』も21日前までの予約で最大35%ほど割引になります」(前出・風呂内氏)
夫婦の旅行で使いたいのがフルムーンパス(JR全社で利用可能)だ。夫婦の年齢が合計88歳以上なら誰でも購入でき、一定期間中にグリーン車が乗り放題になる切符で、長距離移動がグッとおトクになる。今季の申し込みは残念ながら終了したが、10月以降に来季の申し込みが始まる見通しだ。
日用品や食料品は、年金支給日の毎月15日ごろにあるシニア割引デーにまとめて買う習慣をつけるのが賢い。最近ではイオンやイトーヨーカドーなどのスーパーだけでなく、ツルハドラッグ、スギ薬局など大手ドラッグストアでも、60歳以上なら5%オフになる日が設定されている。たとえば月に2店舗で3000円ずつ買い物したとすれば、10年間で3万6000円が浮くことになる。
さて、いざ医療・介護が必要になったときも、おカネが返ってくる制度を知っているか否かが運命を分ける。中でも必ず利用したいのが高額医療介護合算療養費制度だ。
介護でお金が返ってくる
「医療保険と介護保険の両方を利用していて、費用がかさんだときに払い戻しを受けられます。たとえば60代の一般的な所得の夫婦で医療・介護あわせて年間合計93万円かかったとすると、26万円が戻ってきます」(前出・長尾氏)
仮に介護が4年間続いた場合、払い戻し額は100万円を超える。該当者には毎年3月ごろに申請書類が届くので、捨てずに必ず申請しよう。役所に出向かずとも、被保険者証・振込先の預金通帳・マイナンバーカードのコピーを同封すれば郵送でもかまわない。
上記すべての手続きを制覇すれば、最大600万円近いトクになる。10年後にも夫婦で笑って過ごせるように、今から幸せのタネを蒔き始めておきたい。
「週刊現代」2022年6月25日号より