参院選9党首討論会、物価高対策で論戦 自民「エネルギーや食料品に集中」 野党「消費税減税」や「現金給付」

公開討論会に臨む与野党の各党首。左から社民党の福島党首、国民民主党の玉木代表、日本維新の会の松井代表、立憲民主党の泉代表、自民党総裁の岸田首相、公明党の山口代表、共産党の志位委員長、れいわ新選組の山本代表、NHK党の立花党首=21日、東京都千代田区の日本記者クラブで

 第26回参院選は22日公示され、7月10日の投開票に向けて選挙戦が始まる。与野党9党の党首は21日、日本記者クラブ主催の討論会で、ロシアのウクライナ侵攻や円安に伴う物価高への対策を中心に論戦を交わした。与党側が消費税率10%からの引き下げを否定してガソリンや食料品の高騰対策に注力する考えを示したのに対し、野党側は消費税率の引き下げや現金給付といった直接的な家計支援策の必要性を訴え、対立軸が鮮明になった。(我那覇圭)

 岸田文雄首相(自民党総裁)は「エネルギーと食料品が日本の物価高騰のポイント。そこに集中して政策を用意している」と強調。石油元売りへの補助金を通じた価格抑制策の継続のほか、農産品の生産コストの削減に向けた支援金の創設を決めたことなどを説明した。消費税に関しては「社会保障の安定財源と位置付けられている。減税は考えない」と述べた。

 一方、立憲民主党の泉健太代表は「岸田インフレ、この物価高を放置していいはずがない」と批判。「消費税引き下げは急激な円安、物価高の局面においては極めて有効な消費喚起策だ」と消費税率の5%への時限的な引き下げを求めた。政府が製粉会社に売り渡している輸入小麦価格の即時引き下げや、円安を加速させかねない大規模な金融緩和策の転換を迫った。

 日本維新の会や共産、国民民主の各党も消費税減税を求め、社民党は消費税の3年間ゼロを要求。維新の松井一郎代表は「今は非常事態。個人消費を拡大する一番の経済対策は、消費税を5%にすることだ」と述べた。れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止を訴えた。

 公明党の山口那津男代表は、消費税収が年金の国庫負担や介護保険料の軽減などに充てられていると説明した上で「税率引き下げ分の財源を確保できなければ、社会保障の充実ができなくなる可能性がある」と反論。子育て支援策のさらなる拡充を掲げた。

 物価高への対策では、賃金の引き上げを求める声も相次いだ。共産の志位和夫委員長と社民の福島瑞穂党首は、全国平均で時給930円となっている最低賃金を1500円に引き上げるべきだと主張した。

 国民の玉木雄一郎代表は「積極財政への転換」を掲げ、国民1人に一律10万円の「インフレ手当」を支給する考えを表明。NHK党の立花孝志党首は、年金生活者のNHK受信料の無料化を提案した。