制裁強まるロシアに戦争資金枯渇を阻む“奥の手”が デフォルト危機もルーブル安定のナゼ

できることは何でもする(ロシアのプーチン大統領) (C)ロイター/Sputnik/Kremlin

「戦争財源の枯渇」(サキ米大統領報道官)に追い込めるのか──。「事実上のデフォルト」「追加制裁の強化」とロシアは窮地に追い詰められつつあるように見えるが、意外にしぶとく持ちこたえる可能性がある。豊富な資源をバックに、プーチン大統領は「奥の手」を使い、強まる制裁をかわそうとしている。

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 ロシア軍によるウクライナ住民への残虐行為が明らかになり、西側各国は、ロシア最大手銀行の資産凍結や石炭禁輸など追加制裁に乗り出した。

 4日期限のドル建て国債について、金融機関にドル払いを拒まれ、ロシアはルーブルで支払った。30日間の猶予期間後にデフォルトと認定される公算は大きい。

 しかし、通貨ルーブルはビクともしない。ウクライナ侵攻後、ルーブル相場は、1ドル=150ルーブルまで下落していたが、3月末に90ルーブルに上昇し、現在は80ルーブル前後で取引されている。侵攻前の水準に戻り、安定している。「ルーブル買い」が堅調ということだ。

 EUはロシアが要求している天然ガスのルーブル払いを拒否しているが、スロバキアやハンガリーは応じる意向を示している。また、外国のガス購入企業が振り込んだ外貨をロシアの銀行がルーブルに替えてガス会社に支払う“抜け道”があり、事実上の外貨払いは可能だ。その外貨でルーブルが買われ、ルーブルの安定につながっている。

「金・資源本位制」で大国フル回転

 もう一つ、ルーブルを支えているのが「金」だ。ロシア中央銀行は3月28日以降、金を1グラム5000ルーブルの固定価格で銀行から購入。6月30日まで続けるという。

「ロシアという国の信用によってお金の価値が決まる通貨管理制度では、ルーブルはジリ貧です。ロシア中銀が金を買っているのは、ルーブルと金を結びつけ、ルーブルの信用を金で担保する“金本位制”を実行しているのです。3月末以降のルーブル高はこの影響が大きい。2014年のクリミア併合以降、ロシアは金の保有を増やしてきました。海外にある金の一部は凍結されている可能性がありますが、何より、世界3位の金産出国です。掘れば金の保有量は増えます。当面、ルーブルを担保する金は準備できるとみられます」(金融ジャーナリストの森岡英樹氏)


 ルーブルの信用担保は金にとどまらない可能性がある。

「今のプーチン大統領は、できることは何でもするはずです。金以外にも、天然ガスや原油をルーブルに結び付けることも検討している可能性があります。資源大国だからできる業です」(森岡英樹氏)

 ロシアのペスコフ大統領報道官は6日、事実上のデフォルトについて、「債務履行に必要な原資は豊富にある」と意味深なコメント。「原資」には、金に加え、天然ガスや原油なども含まれているのかもしれない。プーチン大統領の次の一手は何か。

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