内部留保金について
内部留保金と言うと、皆さんは何を想像しますか?
大企業の役員が貯め込んでいる姿ですか?
それとも、株や土地でウハウハしてる姿でしょうか。
今回は、内部留保金であり、何かあった場合、直ぐに使えるお金の場合を見て行きます。
内部留保(金)とは
>内部留保 とは、企業の所有する資産のうち、借入金や株主の出資では無く、自己の利益によって調達した部分を指す。
単に、企業の資産の調達方法を意味する言葉である
内部留保とは、企業が生み出した利益から税金や配当、役員報酬などの社外流出分を差し引いたお金で、社内に蓄積されたものを指します。
内部留保には、狭義のもの(利益剰余金に限るとするもの)と、広義の物(利益剰余金+各種引当金)があり、一般的には狭義のものを指し、広義のものは日銀の指標である。
内部留保のメリット
①会社の規模と実力・実績が一目で分かる
利益剰余金(内部留保)が多いか、少ないかの判断の目安としては、会社の創業年数も関係してきます。
利益剰余金は「企業が生み出した利益を積み立てたお金」なのです。
ということは、利益剰余金の金額を会社の「期数(年数)」で割り算すれば、毎期の平均的な利益を計算できます。
例えば、決算書の利益剰余金が 10,000円であり、それが10期目の決算書であれば、毎期の平均利益 = 10,000円 ÷ 10年 = 1,000円という計算になります。
「この会社は毎期だいたい 1,000円ほどの利益をあげる」ということが分かります。
10期分の決算書を集めて分析するのは骨が折れる作業ですが、それが1期分の決算書だけで概算で分かるのが利益剰余金なのです。
②会社の安定度・実力が分かる
利益剰余金の多い・少ないは企業の年数や業種によって異なります。
利益剰余金が多いということは、自己資本である純資産の部が多いということであり、自己資本が多い会社は財政が安定しているといえます。
自己資本を増やす方法としては「資本金」を増額するか「利益剰余金」を増やすかのどちらかになります。
しかし、いくら「資本金」を追加投入したとしても本業の経営がうまくいっておらず本業での収益力がなければ意味がありません。
③会社を守り、発展させる為の原資となる
内部留保として計上される利益剰余金は、本業が順調であれば、年々増え続けるはずです。経営体質そのものが良い状態の企業だといえるでしょう。
利益剰余金(内部留保)はどんなことに使われるかといえば、上記でも述べたように、現金のまま持つのではなく、会社の成長のために工場設備や店舗などに投資されます。
利益剰余金が多ければ、危機の時に企業を守るだけでなく、成長のための攻めにも使えるメリットがあるのです。
逆に、大企業でも巨額の赤字に陥り、利益剰余金を吐き出してしまうケースがあります。
利益剰余金がマイナスの企業は経営状況が悪化している状態であり、マイナス状況が続けば負債が資産を上回って債務超過に陥ってしまうのです。
④財務の健全性を示す指標としても注目されている
余ったお金をどのように分配するかは、企業の考え方や財務状況などによって異なります。
株主還元を重視するなら配当を増やし、財務基盤を強化するなら内部留保を増やすといった方法があります。
⑤万が一の時に備えるため
日本経済は今まで、リーマンショックやコロナ禍の時など、何度となく経済危機に襲われて来ました。
この状況下では、消費が冷え込み不景気となります。
不景気では、利益が小さくなり、利益が出なくなれば、貯金を切り崩す事になります。
日本の経済対策はいつも遅れて、しかも各種書類など手続きに時間が掛かります。
貯金が無ければ、銀行に融資をお願いする事になりますが、特に中小企業では融資を受けられない事もあります。
万が一の時に備えて、内部留保を厚くしておく事が重要なのです。
⑥内部留保が信用スコアになる
これは、日本の商慣行が影響しています。
日本では、支払いを数ヶ月先延ばしにする掛取引が主流です。
掛取引が根強いのは、企業間に信用があるからです。
特に、内部留保の累積額を意味する利益剰余金は、信用スコアとして重要視される指標の1つです。
内部留保のデメリット
①内部留保課税される可能性がある
内部留保課税というのは、普通は当てはまりません。
最大20%の税制で、個人または同族会社がその会社の50%以上の株を持っており、資本金または出資金が一億円以上である事が課税条件です。
この時、50%以上の株式を通じて、個人の財産=会社の財産となってしまうため、財産の隠し場所として最適な場所になってしまうのです。
②経済の停滞
内部留保を溜め込むというのは、世の中に出回らないお金を増やすと言う事です。
つまりそれだけ、お金が世の中から減り、世の中にはより少ないお金でやっていかなくてはいけないため、必然的にデフレになり、デフレ不況になり、デフレスパイラルへとなっていくのです。
③会社と株主は、内部留保への意見は、真っ向から対立している
今は株主と会社との意見は大きく違います。
会社は、手元に置いておきたいため、今の内部留保は適正だと述べています。
一方、株主は明らかに内部留保が大き過ぎると感じており、会社と株主には、内部留保への意見は、真っ向から対立しているのです。
④将来的に、内部留保に課税される可能性がある
かつて、「希望の党」という政党が、「内部留保課税案」というのを出して、案もろとも自爆した事がありました。
そもそも内部留保というのは、法人税を引かれた後の残高なのですから、そこに税金をかけるなら、これは明らかに、「二重課税」になるのです。
賃金と内部留保
内部留保というのは、利益から法人税や人件費などを引かれた残金などですから、賃金アップには繋がりません。
結局、人件費をアップさせたければ、世論を動かすしかないのではないでしょうか。
今年の春闘がウクライナ侵攻・スタグフレーション・コロナ禍・経済制裁と色々あったのに、それでも賃上げになんとか成功したのは、これはひとえに世論のおかげです。
世論を動かせば、不可能が可能になるのです。