日本人の賃金は上がらない(1)

〜インフレと物価上昇と賃上げはリンクするのか〜



日本が『失われた✖0年』を昭和・平成・令和と、凍えるように寒い冬の時代が続いています。


そして、これらに対しては、『賃上げ』をしっかりとする事によって、景気が徐々に上向いて来る事は、確実視されています。


しかし、日本が問題とする『賃上げ』は、世間一般的にも、専門家達にも、問題にならないと言う態度です。


何故か。


さて、見て行きましょう。



  沈み続ける景気、上がり始めた各種物価


2021年は、各種物価が消費税増税とは無関係に上がり始めた珍しい年となった。


しかし、このインフレが我々積極財政派の望むインフレでない事は明らかです。

このインフレは、そもそも海外由来のものであり、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は当初、米国の消費者物価指数が前年同月比6.8%と39年ぶりの高水準となったにも関わらず、インフレは一時的なものとする見解を示していたが、後にこの見解をひっくり返し、インフレ抑制を最優先する姿勢を鮮明にしている。


海外の物価が上がれば、輸入品の価格上昇を通じて国内物価にも上昇圧力が加わる。

11月における国内企業物価指数は9%と、41年ぶりの上昇となっており、企業は仕入れ価格の急騰に苦慮している。

このまま輸入物価の上昇が続けば、いずれ消費税物価指数にも反映される可能性が高い。


企業は自己防衛で必死の中、とても『賃上げ』まで手が回る状況ではなく、厳しい状況なのは明らかです。

 

また、仮に手が巧く廻ったとしても、そこで恩恵を受けられるのは、全社員の一部である、『正社員』だけでしょう。


もはや、企業に期待出来る時代は終わったのです。


結局、いつでも弱い者が真っ先に排除され、倒れて行くのは変わりません。


それが弱肉強食と言う大自然の掟であり、人間社会もひとたび理性を喪えば、そうなるのです。

その証拠に、人間社会にもありますよね、弱肉強食を意味し、よく使われている馴染み深い言葉が。

そう、それは、『自業自得』。

自分の事は自分で責任を取れ。

他人に迷惑をかけるな。

これは、今も昔も有名な、大自然の掟です。

人間は、集団生活をする事で規模のメリットを活かし、大自然の掟にさよならしたが、精神的に劣化した人々が集団生活のヒエラルキーのトップにいる限り、これは変わらない。

人間であっても、精神的に劣化すれば、大自然の掟に飲み込まれ、そして、国としては衰退してゆくのです。


大自然の掟は、いつでもすぐそこにあるのです。

そして、人々が受け入れてくれるのを、待っています。 



  民間には解決不能。では政府ならば可能か?

 

デフレ不況もスタグフレーションも、第二次石油ショックも、ロシアのウクライナ侵攻もみな、民間企業の手には余るものばかりです。


では、政府なら大丈夫なのか?

残念ながら、岸田総理では、せいぜい企業に補助金を配り捲って、しかも、効果は分からないとか言うとんでもないのを、また、やりかねません。


岸田現総理は、こう言う状況に関しては、最も向いて無いトップと言えるでしょう。


しかし、『今の日本では、政府も民間も、ダメでした。』では、ちょっと面白くないので、民間税調(民間税制調査会)のシンポジウム を持って来ました。


濱口氏の寄稿によると、「安い日本」から転換するには個別企業の枠を越えて、産業別に労働組合が団体交渉をして、ある産業の中で働く労働者の労働の価格の最低額を決めることが解決の筋道になると提言している。

産業別に労働の価格の最低額を決めることで、その賃金が払えないような企業が低価格で商品やサービスを販売することを不可能にする。それなりの高価格での商品やサービスを消費者に受け入れてもらうという筋道だ。日本以外の先進国では産業別労働組合や産業別団体交渉は一般的だという。

事業者が協定して価格を決めるのはカルテルで独禁法違反になるが、濱口氏は寄稿の中で「労働組合が『合法的なカルテル』だからこそできる」と説明する。そして政府の賃上げ要求と産業別の最低賃金制度を組み合わせて、バーチャルな産業別賃金交渉の場をつくることが方法の一つとしている。賃上げを要求する土俵を個別企業から業界全体に変え、政労使で話し合うことが求められていると結論づけている。

峰崎氏は「個別企業の枠を超えて産業別の賃金闘争に引き上げないと賃上げは実現しない。安倍、菅政権で実現しなかったことを岸田政権で本気で進める必要がある」と話した。


まあ、要するに、『日本の労働組合よ、日本の労働者よ、団結せよ』って事ですね。

日本では伝統的に、明治への近代化が、薩長のような軍閥時代、そして、帝国主義の看板を掲げた帝国でしたので、自分達の気に要らない物は全て壊して来ました。

今でもその名残りは、強く残っていて、「死んでも生活保護の世話にはならない」というのは、社会福祉の地位の低さを示していますね。

 

  政府でも無く、経営者でも無く、労働者の為に働く組織、それが労働組合


日本国憲法では、国民の権利と生活を守る為に、『労働組合』と言う組織を、法律を越える〘憲法〙で認め、勝手に失くしたり改正したり出来なくしておきました。

 

この憲法、この『国民の権利と、生活を守る』と言う考えを、活かすも殺すも、皆さん次第です。


これだけ日本国憲法は、国民の権利と、国民生活を守る為に、単なる法律では無く、憲法を持って、『労働組合』を保護する姿勢を明確にしています。

 

また、メディア側も、毎年飽きもせずに、『春闘』を報じる事でも分かるように、本気でやるなら、彼らの報道が助けになるでしょう。


しかし、器創って魂入れずじゃないですけど、私達が憲法を上手く使い、そして、憲法を守るという姿勢を示さないと、幾ら『日本国憲法だ』『日本国の最高法規だ』と言っても、無くなってしまう運命となってしまいます。


これは、安全保障と同じで、いざと言う時に、しっかりと整っていないと使えません。


我々も、賃上げを要求するのは、『政府』や『経営者』だけではなく、『労働組合』と言う第3の道がある事を知ってほしいですね。


私達が1人で愚痴を愚痴った所で何も解決しませんが、労働組合に駆け込めば、社内の事は直ぐに、例え、賃上げの事であっても、1ヶ月やそこらで解決します。

これが、労働組合のパワーです。


最近は、安倍・岸田と総理が続けて、『賃上げ』に介入して、左派を取り込もうとしています。


そんなの意味ないだろ、と思ったのですが、結果を見ると、意味はかなりあったようですね。


今や、政権政党の側も欲しがる、左派のパワー。


『賃上げ』には何の効果も無くても、人気だけはゲット出来るお手軽簡単な手段を確立させた自民党。

 

失政の責任は負わず、成功したら、その報酬はしっかり手に入れると言う、嫌らしい成功方式だ。

 

私達は今、賃金は上がらない、でも、色々な物の値段はどんどん上がるという、生きにくい時代になっています。


皆さんは、今年どんな道を選び取りますか?