10月から負担増の「雇用保険」、うまく使えば「返ってくるおカネ」こんなにあります…! | 時事刻々

時事刻々

日々動き、移り変わって行く、日本と世界を、独自の視点で取り上げています。

10月から負担増の「雇用保険」、うまく使えば「返ってくるおカネ」こんなにあります…!

荻原 博子

負担がこんなに増えます

10月から、「雇用保険」の個人保険料が値上がりします。

「雇用保険」は、31日以上雇用される見込みがあり、かつ1週間の所定労働時間が20時間を超えて働く人なら加入しなくてはならない公的な保険です。

「雇用保険」の保険料は、雇う側と働く人の両者で負担します。雇う側の負担は、すでに4月に上がっていて、支払われる給料に対して3月までは0.6%でしたが、4月からは0.85%にアップしています。

個人の保険料は、本来なら同じ時期に0.3%から0.5%に上がるはずでした。けれど、参議院選挙があったために、選挙の前に値上げするのはマズいという声が自民党内から上がり、選挙を終えた10月に先送りされた経緯があります。

個人の保険料は、10月から0.5%になりますが、雇用が安定しない可能性がある農林水産や清酒製造、建設事業などは、負担率がもう少し高くなっています。

一般的なケースで、実際に10月からどれほど負担が増えるか見てみましょう。

月給15万円の人なら今までの月450円の保険料が月750円になります。30万円の人なら今までの月900円が、月1500円になります。

このほか、ボーナスがある人はそこからも保険料が引かれるので、人によっては年間で1万円近くの負担増となるケースも出てくるでしょう。

保険料アップの陰に、不正受給も

「雇用保険」の保険料がアップした原因は、新型コロナで従業員を休ませた企業に休業手当を支給する「雇用調整助成金」などの支出が増えたためとされています。

これで助かったという企業も多かったと思いますが、そのいっぽうで、「雇用調整助成金」については不正受給が指摘されています。

会計検査院は、3億1719万円の不正受給があったと指摘していますが、実態はそれどころではないようです。

たとえば、東京都内にある「ワールド航空サービス」という会社では、社員が出勤しているのに仕事を休ませたという嘘の申請書類を提出し、1社で3億9000万円あまりの返還命令を東京労働局から受けていました。

こうした会社が他にもあった結果、「雇用保険」からの出費が増え、保険料のアップにつながったということです。

ちなみに、個人の「雇用保険」の保険料は10月から上がりますが、「雇用調整助成金」の支給の上限額については引き下げられます。

会社を辞めるなら「自己都合」より「会社都合」で

「雇用保険」は、失業したら、次の職につくまでの間に「失業手当」を支給される保険だということは、多くの人が知っていることでしょう。

「失業手当」でもらえる額や期間は、辞めたのが「自己都合」か「会社都合」かで、金額も期間も大きく変わってきます。

会社との契約期間が満了したり、定年退職したり、自分の意思でやめたという人は、「自己都合」ということになります。この場合、20年以上勤めていた人でも、最大で150日ぶんの失業手当しかもらえません。

いっぽう、解雇や倒産で職を失った「会社都合」の場合には、20年以上勤めた人なら最大で330日ぶんの失業手当がもらえます。

「失業手当」には、もらう前に7日間の待機期間があります。「会社都合」だと、その待機期間を終えるとすぐに失業手当が支給されますが、「自己都合」だと7日の待機期間に加えて、2〜3ヶ月後でないと失業手当が出ません。

会社を辞める時には、会社は世間体もあるのでなるべく「自己都合」で処理したいと望むようですが、できれば自分からやめるとは言いださず、「会社都合」でクビにしてもらうほうが辞めた後が有利になるのです。