クリーンイメージの太陽光発電 寿命迎えたパネルは? リサイクルへ2億3000万円投資し新工場 「資源として再生・循環させるべき」 鹿児島・日置の業者

鹿児島県日置市のリサイクル業「丸山喜之助商店」が、不要になった太陽光パネルを資源化する取り組みを始めた。丸山明紀社長(50)は「太陽光発電にはクリーンなイメージがある。役目を終えたパネルは廃棄物にせず、資源として再生・循環させるべきだ」と事業開始の理由を語る。丸山社長によると、同様の工場は九州では北九州に続いて2例目。
床面積600平方メートルの建屋と自動分別ラインの機械購入に、合わせて約2億3000万円を投資し、5月に新工場を稼働した。パネルはアルミのフレームとガラス、セルと呼ばれる50〜70枚の太陽電池、バックシートで構成される。電線とつなぐための中継ボックスを手で外すほかは、作業はすべて自動。これまでに約200枚を処理した。
分別工程は、フレームを取り外し、ガラスを削って細かいガラス片にした後、風力や金属センサーなどを使って異物を取り除く。パネル重量の7割をガラスが占めるため、ガラス片の純度を上げることがリサイクルの要。異物除去工程は2回繰り返す。
分別された資材は県外の業者に送られ、フレームは自動車のアルミエンジン、ガラスは防音・断熱用のグラスウールなどに再生。セルとバックシートからは銅や銀が抽出される。
2011年の東日本大震災を契機に全国に広がった太陽光パネルが、寿命を迎えるのは30年代後半。丸山社長は「分別の精度を高め、将来の需要に備える」と語った。

