ロシア、原発を要塞化し攻撃拠点に…「偶発的な爆発でチェルノブイリ級事故」懸念  | 時事刻々

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ロシア、原発を要塞攻撃拠点に…「偶発的な爆発でチェルノブイリ事故」懸念

 【キーウ=安田信介】ロシア軍が制圧を進めるウクライナ南部ザポリージャ州で緊張が高まっている。露軍は、3月から占拠している欧州最大規模のザポリージャ原子力発電所の 要塞ようさい 化を加速させ、攻撃拠点にしている。火災が起きれば深刻な事故に発展しかねず、懸念が強まっている。

ザポリージャ原発の施設(3月4日)=AP

 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は21日、SNSを通じ、露軍が同原発原子炉のエンジン室に重火器14基や弾薬を搬入したと指摘した。可燃性物質を含んだ設備もある場所とされ、「偶発的な爆発で火災が起きれば、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故と同規模になる可能性がある」とも訴えた。

 地元メディアによると、露軍はこの原発に多連装ロケットシステムを配備し、ドニプロペトロウシク州ニコポリへの砲撃を活発化させている。これまでに住宅や学校、病院などが被害を受け死傷者も出ている。

 一方、ロシアのタス通信によると、ザポリージャ州の親露派は20日、ウクライナ軍が無人機(ドローン)3機で原発の敷地に向けて攻撃を行ったと主張。ロシア側はウクライナ軍による「挑発」だとし、原発への兵器配備を正当化している状況だ。