財政均衡主義の危険性と政府財政 | 時事刻々

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財政均衡主義の危険性と政府財政

さて今回は、安倍内閣による憲法改正案に含まれていると噂されている『財政均衡条項』の危険性を解説しようと思う!


まずはその前に『プライマリーバランス黒字化』と言う言葉をニュースや新聞などで見たり聞いたりした事が有ると思う。


『プライマリーバランス〈基礎的財政収支)』とは何だろうか?


>政府会計において、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支である。プライマリー・バランスともいう。

(wikiより抜粋)


要するにザックリ書くと、税収と支出のバランス(収入と支出のバランス)と言う事になる。


赤字国債や建設国債による収入はこの中に含まれ無い。


更に過去の国債発行による元金と利息の支払いを省いた政府支出と言う事に成る。


家計に当てはめればこう言う事だ!


収入(給料)から各種家計支出(食費や雑費や光熱費など)を差し引いた額が、赤字にならずに拮抗すれば『プライマリーバランスが拮抗している』と言う表現に成る。


逆に収入から各種家計支出を差し引いた額が黒字(預貯金に回すお金が出来るなど)なら『プライマリーバランス黒字』。赤字なら(借金して家計の不足を補う)『プライマリーバランス赤字』となる。


別にさほど難しい話では無いんだよ?


『プライマリーバランス(基礎的財政収支)』何て言うからわかりにくいんだよな?



例えば税収が40兆円だとして、政府支出が37兆円なら『プライマリーバランス黒字』


支出が45兆円なら『プライマリーバランス赤字』となり、赤字国債の発行が必要に成る。


通常の場合、この政府支出には、過去に発行した国債の元利払いが計上されるから、実際には支出はもっと増えるのが現実だ。


『国の借金が〜!!』とか、『日本は財政破綻する〜!!』とか言ってる人達は、国の財政と家計をゴッチャに考えて、こう言う紛らわしい事を言っている。


家計に置き換えれば、先月赤字だった場合に支出を抑制して借金の返済分を家計支出に上乗せしないと、毎月借金と支払いのイタチごっこでいつまで経っても借金が無くならない。


普通の場合は、家計を黒字化して借金を増やさないのが当たり前だよな?


このロジックをそのまま持ち込んだ考え方が『プライマリーバランス黒字化』つまり『財政均衡主義』だ!!


ドイツでは、この『財政均衡条項』が法律に成っている。


アメリカでも発議された事が有るが、否決されている。


一見すると正しい考え方の様に聞こえるが、モチロン正しくは無いんだよ?


理想としては『プライマリーバランスが黒字化』するのは確かに望ましい。


しかし、現実にはそうは行かない。


日本の財政支出は、およそ103兆円。


日本の税収は、およそ43兆円。


つまり60兆円の赤字とい言う事に成る。


これは社会保障費用も確かに増えているけれども、公共投資や公務員の人件費、国際協力資金や海外に貸し出すお金なども含まれている。


ニュースや財務省発表、一部『財政破綻が〜!!』の経済学者がいかにも「社会保障費用か年々増えているせい」などと国民のせいの様に言っているが、ならば少子高齢化で将来的に人口が減るのは喜ばしい事じゃないのかな?


少なくても人口が減れば社会保障費用は減るよな?


なのに『人口不足が〜!!』『外国人移民入れないとダメだ〜!!』って理屈はおかしな話になる。


仮に外国人移民を、少子高齢化率が高い時期だけ入れるとしても、それは完全に外国人移民の奴隷化では無いかな?


其れに人口が減れば基本的には税収も減るのだから、社会保障費用が不足気味に成るのは人口の推移とは別の問題とも言えるのではないかな?


色々と突っ込み所が満載だ。


それはさておき、『プライマリーバランス黒字化』にこだわるのは何故危険なのか?


それは当然、必要な支出に対して国債発行が出来ず、日本国のインフラや行政サービス、果ては国民の貧困化が進んでしまう為だ!!


『プライマリーバランス黒字化』とは、要するに赤字国債や建設国債を発行しないと言う事と同意になる。


そうするとどうなるか?


道路や橋は老朽化しても放置され、いつ崩れるか分からない橋を渡ったり、いつ崩れるか分からないトンネルを通ったり、穴ボコだらけの舗装路を車で跳ね回りながら通り、高速道路でスピードも出せなくなる。


するとトラックの輸送効率が落ちて、物資輸送に深刻なダメージが起きる。


しかも建設会社(土木工事)に経年で発注が行かない為に、建設会社が倒産したり橋やトンネルや道路を建設する技術が失われる。


すると発展途上国(例えばインドネシア)の様に、海外の建設会社に依頼しなければならなくなる。


老人介護や医療保険も低く抑えられ、医療や介護サービスを受けられない国民が増えてくる。


公務員の人件費が削減されリストラが進み、行政サービスや自衛隊や警察や消防などに支障が起こり、治安が悪化したり、外国に侵略され易くなる。


どうかな?最悪だろ?


これでも『国の借金が〜!!』に同意出来るかな?


さて、このプライマリーバランス黒字化(財政均衡主義)は、実は景気回復すると勝手に赤字改善して行く。


何も難しい話では無い、景気回復すれば税収が増える、歳出が103兆円で、税収が50兆円に増えれば赤字幅が53兆円に縮小し、プライマリーバランスは改善される!


仮に歳出が年々増えたとしても、それを上回る税収が有ればプライマリーバランスはどんどん改善して行く。


その税収が歳出を上回る経済成長率が、約3%とされている。


大した経済成長率ではないよな?


その倍の6%成長を目指せば、プライマリーバランスなど気にする必要は無い。


そして何より、新聞やニュース、経済学者の一部は意図的に嘘を付いている。


国の借金は国民一人当たり650万円の借金と言うがマッタクのデタラメだ!!


以前にも解説したと思うが、日本国債を買っているのは殆ど日本国民と日本の金融機関だ。


と言う事は、国は国民から借金しているのだから、正確には国民一人当たり650万円の資産になる。


それに以前やはり解説した通り、国の借金とは正確には『対外純負債(海外に対する負債)』の事で有り、日本は世界一の『対外純資産(海外に有る資産)』国だ!!


さらに言うなら、この嘘つき達が言う『国の借金』とは正しくは【日本国政府の負債】だ!!


そして日本国政府は【独自通貨発行権】を持っているので、泣こうが喚こうが国が破綻する事は出来ない仕組みに成っている。


ドイツは違うぞ?


独自通貨発行権が無いからな!


ドイツの通貨は【ユーロ】で通貨発行権はEU連合政府の中央銀行に有る。


だからドイツやユーロ加盟国は、ユーロを使っていないイギリスを省いて気持ちよく『財政破綻』が可能だ。


独自通貨発行権を持つ国は、政府の子会社に相当する中央銀行(日本なら日銀)と連結決済し、国債を帳消しにする事が出来る。


それが『異次元の金融緩和』こと国債買い取りだ!!


政府が発行した国債を子会社の日本銀行が買い取る事により、連結決済で無かったか事に成ってしまう訳だ!!


これを『財政ファイナンス』と言う。


つまり通貨を発行する代わりに国債を買い取って市中に資金を流す訳だな。


ただ日本はそろそろ日銀が買い取るべき国債が底を尽きつつ有る。


だからこそ赤字国債なり建設国債を発行して公共投資や財政支出を増やすべきなのだが、ようやくたったの10兆円ほど国債を出すらしい?


まだ決まった訳では無いけどな?


こんな事では、また国債が底を付いてしまうぞ?


と言う訳で、『プライマリーバランス黒字化(財政均衡主義)』は、景気回復(デフレ脱却)すれば良いだけの話なのだが、安倍内閣は消費税10%増税で見事に再デフレ化させてしまった訳だな?


さらに『財政均衡条項(プライマリーバランス黒字化)』を憲法改正で国民にろくに説明もせずにぶっ込もうとしている可能性が出て来ているんだよ?


デフレのままプライマリーバランス黒字化何てやらかしたら、どんどん支出が絞られて行って、日本国と日本国民は間違いなく貧困化するだろうな?


さて、自民党が大勝して憲法改正の話が現実味を帯びて来たが、こんなトンデモ条項を入れられるなら、私は大反対です!!


私は包み隠さず、自民党をマッタク信用していないし、支持もしていない。


読者のみんなはこの馬鹿げた財政破綻論をどう思うかな?


日本が貧乏になる新憲法を、歓迎出来るかな?


良〜く考えて見て欲しいぞ?