山本太郎「新党を率いて首相を目指す男」の実力 | 時事刻々

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今日は、「山本太郎「新党を率いて首相を目指す男」の実力」です。
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山本太郎「新党を率いて首相を目指す男」の実力

鹿吉 大基

「安倍一強」への不満を吸収

園遊会で明仁天皇に反原発の手紙を直接手渡したり、本会議で喪服を着て牛歩をしたりと、突飛な異端者の印象が強かったが、2019年の参議院選挙で「れいわ新選組」を率いて「爪痕」を残した。「この国はぶっ壊されている。もう待てない」と叫ぶ演説は、鬼気迫るものだった。政策の柱は消費税を廃止し、法人税などをアップすること。これで低所得者や中小企業の負担を軽減し、需要を拡大。税逃れで海外に逃げる企業も多くはないと主張した。

時事通信フォト=写真
れいわ新選組代表 山本太郎氏 - 時事通信フォト=写真

大企業ばかりが太り、庶民は貧困、介護離職、年金不安。その苦悩は「自己責任」だと言われる。「それは政府のまやかしだ! もっと怒れ! 真剣に喧嘩しろ!」と訴えた。

これが、「安倍一強」に不満を持ちながらも、ひ弱な野党にも期待できず、どの既成政党にも受け皿を見出せない悶々とした人々の思いを吸収したようだ。比例名簿3位の自らは落選したが2議席を獲得、4%以上の得票で政党要件も満たした。

俳優から一転、東日本大震災の原発事故をきっかけに反原発活動にのめり込む。2012年の衆院選に無所属で出馬するも落選し、2013年の参院選で当選。その後、小沢一郎氏と自由党の共同代表に就任したが、「このままでは党幹部に盲従する自民党の若手と同じだ」と独自路線に踏み切った。「首相を目指す」と夢は大きい。だが演説とパフォーマンスだけでは限界がある。野党連携は不可避。消費税増税に賛成の野党議員もいる中で難しい調整、険しい坂道が待っている。

山本太郎(やまもと・たろう) 
れいわ新選組代表 
1974年生まれ。91年、俳優デビュー。東日本大震災後、反原発運動を開始。2013年、参議院議員当選。自由党共同代表などを経て、19年4月、「れいわ新選組」を旗揚げ。