「1強」弊害、どう排除=長期政権、目立つおごり-問われる安倍政権【19参院選】 | 時事刻々

時事刻々

日々動き、移り変わって行く、日本と世界を、独自の視点で取り上げています。

はい。皆さん、こんにちは。
今日は、「「1強」弊害、どう排除=長期政権、目立つおごり-問われる安倍政権【19参院選】」です。
それでは、どうぞ。

「1強」弊害、どう排除=長期政権、目立つおごり-問われる安倍政権【19参院選】

時事通信社

 参院選(7月4日公示、21日投開票)では6年半を迎えた安倍政権の政治姿勢への評価が下る。安倍晋三首相は2016年参院選や17年衆院選の勝利で「1強」体制を確固とし、内閣人事局を通じて中央省庁を掌握。その結果、官僚には忖度(そんたく)が広がり、国民目線を忘れた不祥事や疑惑が相次いだ。おごりや緩みといった長期政権の弊害をどう排除するかが課題となりそうだ。

 ◇安倍首相、金融庁に激怒

 「対案もないまま、ただ不安をあおるような無責任な議論は決してあってはならない」。年金制度に関し、首相は26日の記者会見で、老後資金が2000万円不足すると試算した金融庁審議会の報告書をめぐり政府を批判する野党を当てこすった。

安倍政権は「政府のスタンスと異なる」として報告書の受け取りを拒否。金融庁が野党に攻撃材料を与えたとして「首相は激怒した」(自民党幹部)という。政権中枢の意に沿わない意見や異論を排除する態度に対し、ある野党議員は「ますます忖度が増えるだろう」と嘆息した。

 「臭いものにふた」をする対応は、学校法人「森友学園」に国有地が8億円値引きされて売却された問題や、首相の長年の友人である加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設の問題で浮き彫りとなった。

 政権を揺るがしたこれらの問題は、自民党が圧勝した16年参院選から半年余りが経過した17年初めに表面化。官僚の忖度が行政の中立・公平性をゆがめた疑いが浮上したが、政府は都合の悪い文書を「怪文書」と断じ、決裁文書を改ざんした。良心の呵責(かしゃく)から財務省近畿財務局職員が自殺した後も、対応を改めるに至らなかった。

 与党も国会での真相解明に一貫して消極的だった。国有地値引きへの影響が取り沙汰された安倍昭恵首相夫人について、野党が求める証人喚問を拒否。加計氏の喚問も拒み続け、いずれも幕引きを優先した。

 ◇劣化する官僚

 政府の不手際は止まらない。厚生労働省の毎月勤労統計に端を発した統計不正問題では、56の基幹統計の約4割で不適切な処理が判明。政策立案、遂行の基盤が揺らいだ。

厚労省では働き方改革に関し、裁量労働制の不適切データ問題が発覚。1日の残業時間が1カ月分より長いという、ずさんな処理を見抜けなかった。防衛省は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備候補地である秋田県への説明資料作成に当たり、見落としや見誤りといった単純ミスを重ね、県の怒りを買った。同省関係者は「各省庁が官邸の言いなりとなり、官僚が劣化した」との認識を示した。

 ただ、不祥事が連鎖する中でも内閣支持率は高い水準で推移している。野党が内閣不信任決議案で、安倍政権を「情報を隠蔽(いんぺい)し、予算委員会の審議拒否を続け、国民への説明責任を放棄した」と非難しても、首相の耳には入らない。