東日本大震災8年非常用袋を再点検家族構成に合わせ選択 | 時事刻々

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はい。皆さん、こんにちは。
今日は、「東日本大震災と防災用品」ということで、いざという時、力を発揮する防災グッズを見ていきたいと思います。
それでは、どうぞ。

 

東日本大震災年 非常用袋を再点検 家族構成に合わせ選択

 昨年は大阪府北部地震や西日本豪雨、北海道地震と災害が相次いだ。首都直下地震や、南海トラフ地震などは「いつ発生してもおかしくない」といわれる。11日で東日本大震災から8年。その間の度重なる被災を教訓に防災グッズは進化したり、見直されたりしている。家族で必要なものを話し合いながら、非常用袋の中身を点検、更新してみよう。 (長壁綾子、五十住和樹)

  「大きな災害を何度も経験し、日本では防災に対する考え方が変わった」。東日本大震災の被災体験を基に、ライフスタイルを考慮した備えを訴えているNPO法人「ママプラグ」(東京)の理事、宮丸みゆきさん(44)はこう話す。非常用袋の中身は以前、平均的な大人を想定した内容だったが、「3・11」以降、家族の人数や年齢層などに応じて必要なものをそろえるという考えに変わった。

 防災グッズを点検、更新する場合、被災者の体験が参考になる。昨年の北海道地震の被災者からは「インスタント麺は湯が沸かせないと調理できない」「乾パンは食べるとのどが渇いて使いにくい」などの声もあった。一方、そのまま食べられ、栄養があるドライフルーツや、ビタミンが豊富な野菜ジュースなどがいいという声もあった。連絡手段の確保と情報収集に不可欠なスマートフォンなどのため、モバイルバッテリーは今や必需品だ。

 被災した北海道新十津川(とつかわ)町の飲食店従業員の女性(29)は電気とガスが復旧するまでの間、冷水で体や髪の毛を洗い、つらい思いをした。そんな経験を踏まえ「(洗い流さなくていい)ドライシャンプーやアルコールを含まないウエットティッシュが役に立ちます」とアドバイスする。また、停電していると、スーパーなどのレジやATMが使えないことがある。札幌市の女性(54)は、日頃からためている小銭が役に立った。「千円札十枚と小銭約一万円を用意すると安心」と話す。

 二〇一六年の熊本地震で被災した会社員男性(30)は、後日実家に送ってもらったカセットコンロに助けられた。お湯を沸かして体や髪を洗ったり、食事を作ったりした。ガスは電気や水道に比べ復旧が遅れがち。男性はこんろを手に入れ、地震後に生まれた長男のためオムツ、レトルトの離乳食なども備えている。

 東京都がまとめた冊子「東京くらし防災」では、女性、子ども、高齢者向けのグッズを紹介。ペットを受け入れない避難所もあるので、必要品と注意事項を盛り込んだ。ママプラグの宮丸さんは「そろえた防災グッズは試食したり、必ず事前に試したりすることが大切です」と話している。