臨床美術士・保育士のHolyです。今日は「立体りんご」というアートプログラムをご紹介します。

 

 

 

 

もくじ

  1. 「立体りんご」と臨床美術
  2. 「立体りんご」の制作過程をちょびっと見!
  3. 「立体りんご」いいところ
 
 

 

  「立体りんご」と臨床美術

 

右脳を刺激し活性化する「臨床美術」。それは素材を「見る」だけではなく、触ったり、匂いを嗅いだり、時には味わったりしながら五感をフルに活かして感じるからこそ。

子供から大人、ご高齢の方も、実物のりんごを見ると緊張がほぐれ表情が一瞬で輝きます。

「好きなりんごを1つ選んでくださーい。よーく見ると、色や形が1つずつ違います。傾いてるのもあるし枝の長さも違いますよー。」とお声をかけると

 

 

 

 

ニコニコしながら「わたしはこれ」と手に取り、なんでこのりんごを選んだのか、そのりんごのいいところや、ちょっと残念なところ(笑)などを教えてくれたりします。

こうして自然と参加者さん同士に笑顔や会話が生まれ、あたたかな雰囲気の中で制作の工程を楽しんでいくことができます。

 

 

 

  「立体りんご」の制作過程をちょびっと見!

 

①りんごを触る。見る。重さを感じる。においを嗅ぐ。1つのりんごでも場所によって色が違います。デコボコしていたり、いつもだったら気にして見たりしないりんごの模様を観察します。

 

②身近にある新聞紙という素材を使ってりんごの量感を造形していきます。この過程ではりんごの芯になる部分をハサミで切って作ったり、新聞紙を巻いてりんごのデコボコ感やずっしり感を出していきます。

 

③芯の部分を作ったら、和紙や英字新聞を水溶きのりで貼っていきます。(私のクラスではなぜか英字新聞を貼ってくれる人がいません。お出ししているのですが...)

 

 

水溶きのりは乾くと和紙の色が鮮やかに戻り、完成直後とはまた違った明るさや紙の質感を楽しめます。

 

 

 

 

 

 

 

  「立体りんご」いいところ

 

 

  • 身近にある材料で作ることができる
  • 五感を刺激する
  • 制作の過程を楽しみながら参加者同士が交流する(褒めあい・認め合う)
  • 選ぶ・考える・構想し工夫する
  • はさみで切る・新聞紙を巻く・マスキングテープを巻く・和紙などをちぎる・水溶きのりで貼るなど...手を動かす作業がいっぱい

 

 

 

小さいお子さんや障害をお持ちの方、ご高齢の方は、できる範囲や集中できる時間もさまざまです。はさみを持って切る事はできるなら(”ちょきん”だけ)、切るものをこちらが持って動かしてあげる事により、その工程を自分ですることができます。明るく楽しい雰囲気でお声がけしながら、意欲を大切にして一緒に楽しんで制作できたらすてきですね。

 

 

すべての工程をその方がやることが重要ではなく(頑張りすぎると疲れちゃうので)、参加者さんのできる範囲やその日のコンディションを見ながら、楽しんだり喜んだりできるよう心がけています。

 

またお教室や定期講習の場合は、そのクラスにより下準備を変えています。りんごの芯の部分まで作っていって、制作の過程を減らしたり、選ぶ種類の数を減らしらり…。

 

 

また社会人クラスでは、大き目の和紙をお配りしたり、りんごの枝の部分まで和紙を巻いたり葉っぱを付けたりなどご提案し、工程を多くしたり工夫しながら作ることを楽しんでいます。