Neutrik スピコンFXXシリーズの組み立て方法 | 音響・映像・電気設備が好き

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ISE 2023 Integrated Systems EuropeでNeutrikから発表になった、powerCON TRUE1 TOP、speakONの新シリーズからスピコン FXXシリーズの組み立て方法を取りあげます。例によって海外から取り寄せています。

 

 

Neutrik スピコン FXXシリーズラインナップ

 

https://www.neutrik.co.jp/jp/products/speakon-loudspeaker-connectors/speakon-cable/fxx-series

 

 

FXからの主な変更点

  • powerCON TRUE1 TOP、speakONの組み立て方法の統合(統合されたがspeakONはIP20な点に注意)
  • 基調カラーが青から緑&茶色に変更(従来のFXの青はパワコンとなる)
  • ケーブルチャックは後からはめ込めみ不可
  • 締め付け、分解の際に専用工具必須
  • 最大スケアが4.0㎟まで(FXシリーズはハンダ付けで最大6.0㎟)

 

専用工具が必須になった点はかなり大きな変更点です。今回取り寄せてみましたが安くはありません。但し、分解の際も必要になるため、数作業する場合は用意しておきましょう。

 ※ツイストロック機構の為、不用意なケーブルクランプの緩みを排除したかった様ですね。

 

新シリーズラインナップで青はpowerCONなので注意!!

 

 

powerCON TRUE1 TOP、speakON共通組み立て工具 Neutrik HTLACA、HTLACB

 

 

Neutrik HTLACAはpowerCON、speakON共通のキー溝が彫られている

 

 

道具一覧

 

 

用意する工具は以下です。

・27mmソケットレンチが使用でき、2.5 Nmが設定できるトルクレンチ

・トルクス T8ドライバ(こちらもトルク指定はありますがこのサイズでのトルク管理は今回の記事では不問とします)

・Neutrik 指定工具HTLACA、HTLACB

 

これを揃えるだけで結構な金額です。ですが、モンキーレンチやクニペックスのペンチでは作業不可となっている以上、揃えるほかありません。

 

 

Neutirk NL2FXX-W-S、NL4FXX-W-L、NL4FXX-W-Sの3種用意した

 

 

部品構成。NL4FXX-W-L、NL4FXX-W-Sの違いはケーブルブッシングのグロメット径だけ

 

 

powerCON TRUE1 TOPで先行採用されていたロックラッチレバーはspeakONでも本採用となり、全シリーズ同一意匠となった

 

 

側面からの写真。有機的なデザインで摩擦を向上させ完成形となった

 

 

USD879049S1 Connector assembly Current Assignee Neutrik AG

 

 

こちらがロックラッチの意匠特許。しばらくは模倣品は出せない為、ノイトリックの純正品の証となる事でしょう。

 

 

 

 

組み立て手順

 

 

パーツ構成

 

 

パーツ構成の名称は左から、ハウジング、インサート、チャック、ブッシングです。こちらはpowerCON TRUE1 TOP、speakON共通となっていますのでこの手順は両コネクタの組み立てに使用できます。

 

 

speakONとpowerCON TRUE1 TOPの比較。IP等級が異なる理由にパッキンの差がある

 

 

powerCON TRUE1 TOPもPSE対応予定の金型(これを書いている時点でPSE承認されているかは不明)

 

 

スピーカケーブルは4S11を用意。端末処理はフェルール圧着を採用

 

 

ケーブル径別

NL4FXX-W-S 6 to 12 mm

NL4FXX-W-L 10 to 16 mm

 

4S11は外径が約11mmでどちらでも対応可能ですが、今回はNL4FXX-W-Lを選択しました。

 

 

ブッシングを通す

 

 

TRUE1の初期型の様にパッキンが外側に出にくくなった

 

 

チャックは後から入れることが出来ない為、ブッシングと同時に通す

 

 

トルクスT8でインサートのビスを締める。トルクは0.7Nm指定

 

 

インサートとチャックを連結させる

 

 

 

公式組み立て説明書1

 

 

ハウジングに挿入するとチャックが収斂する

 

 

HTLACAにコネクタを差し込む

 

 

HTLACBでブッシングを掴む

 

 

公式説明書2

 

 

ブッシングを押さえつけながら回し、締め付けを行う。締め付けトルクは2.5Nm

 

 

公式説明書3.分解の際もHTLACBを使用せよ、と書いてある(やわらかい為、2点で挟み込むことが難しい)

 

 

完成!ブッシングのノイトリックロゴリングはどちらの方向にも空転、色付きの部分は解除方向にのみ空転する仕組みで意図しない分解を極限まで避けている

 

 

公式アッセンブリ動画。今回は最初から動画での組立方法が提示されています。

 

 

 

専用工具が必要なことから、現場での組み立ては細心の注意と管理が必要です。実際に作業に取り掛かる前に、以前のFXとは作業工程が異なる事の周知と、作業手順の確認が必要です。

 

本記事がどなたかの参考になれば幸いです。