解答編:例えば1週間後に6科目受験する場合 | 『鈴太のノート』慶應通信を卒業した日記(経済学部編)

『鈴太のノート』慶應通信を卒業した日記(経済学部編)

慶應通信経済学部 68期秋組
2014年10月学士入学 2017年3月卒業(在籍期間2年半)

昨晩の「出題編」 の解答編です。


考え方は様々と思うのですが、

ここではまず「修得単位の期待値」を計算してみます。


「どの科目をどれだけ勉強するか」、

については無数の組み合わせがあります。


なので、まずは、

以下の3パターンに場合分けしてみます。


・パターンA「楽勝科目優先」

・パターンB「全科目合格狙い」

・パターンC「必修科目合格狙い」


そして次に、エントリーした6科目を難度別に整理してみます。


楽勝科目:3科目(2日の勉強で合格可能性90%)

普通科目:2科目(5日の勉強で合格可能性90%)

難関科目:1科目(10日の勉強で合格可能性90%)


【パターンA】「楽勝科目優先」


計算せずとも感覚でお分かりになると思いますが、

「とにかく単位が欲しい!」

という場合にはやはり「楽勝科目狙い」です。


試験対策期間は「7日間」ですから、

「楽勝科目」をそれぞれ「3科目×2日」勉強して、

残った1日で「普通科目」を「1科目×1日」勉強します。


これを計算しますと、期待値は、


 90%×(2日÷2日)×3科目+90%×(1日÷5日)

=2.7+0.18=「2.88


となりますから、

今回の科目試験では「2.88科目」に合格できそうだ、

となります。・・・①



【パターンB】「全科目合格狙い」


「6科目エントリーしたからには全勝を狙いたい」、

というパターンです。


で、この場合ですが、

更に時間配分の方法で場合分けしますと、


・全科目同じ時間勉強する(B-1)

・難度に応じて勉強時間を配賦する(B-2)


という2種類のパターンが考えられます。



『(B-1)のパターン』


試験対策期間は「7日間」。


これを6科目で割りますと、

1科目あたり勉強できる日数は


7日間÷6科目≒1.17日


となります。


従いまして、この時の期待値は、


 90%×(1.17日÷2日)×3科目

+90%×(1.17日÷5日)×2科目

+90%×(1.17日÷10日×1科目

=1.58+0.42+0.11

=「2.11


となり、

今回の科目試験では「2.11科目」に合格できそうだ、

となります。・・・②



『(B-2)のパターン』


次は6科目について、

その難度に応じて勉強時間の配賦を変える場合です。


これは6科目全ての合格可能性が一律となるよう計算します。


仮に6科目全てを最大限まで勉強する場合、

必要な試験対策の日数は、


 2日×3科目+5日×2科目+10日×1科目

=6日+10日+10日=「26日」


これに対して、

実際の試験期間は「7日間」しかありませんから、


90%×(7日÷26日)=24.2%


すなわち、6科目全ての合格可能性が

一律「24.2%」ということですから、

求める期待値は、


24.2%×6科目=「1.45


となり、

今回の科目試験では「1.45科目」に合格できそうだ、

となります。・・・③


・ちなみに実は、勉強時間が無い場合、

 「6科目受験」よりも「楽勝3科目」の受験の方が、

 合格期待値は高かったりします。



【パターンC】「必修科目合格狙い」


難易度よりも「必修科目のクリアが優先」

という方もいらっしゃることでしょう。


自由に選択できる選択に比べて、

必修科目は総じて難易度が高い傾向があります。


ですが、一応今回は

楽勝、普通、難関の3科目を想定してみます。


仮に3科目を難易度に応じて時間配賦する場合、

3科目を最大限まで勉強する日数は、


2日+5日+10日=17日 となり、


求める期待値は、


90%×(7日÷17日)×3科目=「1.24


となります。


すなわち、必修の3科目に絞って勉強した場合、

1.24科目」には合格できそうだ、となります。・・・④



従いまして、結果は、


「総修得単位数を多く目指す場合、

 楽勝科目をメインに勉強することによって

 より多くの単位数を期待できる」


となります。


まぁ、このことは改めて計算するまでも無く、

感覚で分かりますね。^^;(ぇ



ですが、実はこれらのことが問題なのです。


6科目受験に潜む罠」について。


まず、①と②を比較します。


最初はより多くの単位を修得しようと

6科目フルエントリーします。


ですが、思うように学習が進みませんと、

「今回は時間が無いから楽勝科目に専念しよう」

となります。


最初から必修科目しかエントリーしていなければ、

それ以外の科目には逃げてみようがありません。

そのまま強制的に必修科目を勉強することになります。


ですが、必修科目の他に楽勝の選択科目がある場合、

普通難度の科目や、難関科目については、

今回中途半端に学習するより、次回改めて勉強しよう、

ということで受験が回避されます。・・・⑤



次に②と③の比較です。


合格期待値を見ますと、

6科目全てについて対策する場合、

その合格期待値は

6科目全て同じ時間勉強する時で「2.11科目」、

難度に応じて勉強する時で「1.45科目」となっています。


これが必修科目についてのみ勉強する場合、

その合格期待値は「1.24科目」となります。


その為、

総修得単位数を意識した場合、


「必修科目にだけ専念するより、

6科目満遍なく勉強した方が良い」、


という行動を取るようになります。


ですが、これを全体では無く、

「必修科目」についてのみ計算してみます。


(B-1の場合)


 90%×(1.17日÷2日)×1科目

+90%×(1.17日÷5日)×1科目

+90%×(1.17日÷10日×1科目

=0.53+0.21+0.11

=「0.84


(B-2の場合)


24.2%×3科目=「0.73


となり、これは、


「必修3科目に絞って勉強した場合は、

 1科目以上の合格を期待できる」


「6科目満遍なく勉強した場合、

 6科目全体としては1科目以上の合格を期待できるが、

 必修科目だけを見た場合、

 その合格期待値は1科目未満になる」


ということを示しています。


これはつまり、6科目受験した場合、

選択科目には合格できても

必修科目には合格できない可能性が高い

ということです。・・・⑥



結論です。


⑤、⑥より、6科目受験の場合、

全てを最大まで学習できる場合は別として、


「学習時間が限られている場合、

 必修科目がほとんど学習されず後回しになったり、

 あるいは他の選択科目に学習時間を取られ

 必修科目の撃沈率が上がる」


ということです。<6科目受験の罠


入学して最初の目標となりますと、

それは「卒論指導登録」の条件充足です。


ところが、この卒論指導登録の条件には、

「必修語学6単位」以外、

総合教育科目にも、専門教育科目にも

必修の縛りは無いのです。


なので、「必修科目は大事」と知りつつも、

卒業予定年数が決まっている方や、

卒業を急がれる方は、

とにかく「総修得単位数を増やすこと」、

これが最優先となってしまいます。


結果、必修科目をほとんどクリアすることなく、

卒論指導に突入されてしまう方も多いのです。


どうしてもクリアしなければならない必修科目がある場合、

その1科目に集中して学習を行えばクリアできそうなのに、

総修得単位数も増やさないといけない、

ということで6科目受験→学習効果が分散して撃沈、

というケースです。


楽勝科目を優先に履修し卒論指導登録の条件充足、

そして、複数の難関科目対策と同時進行で卒論作成を進める、

という状態に陥ります。


昨日の出題編でのかぼす先輩のコメントは、

単位の修得のし易さよりも、

卒論指導前に難関科目のクリアを優先とするものでした。


また、実践としては69期秋組のmaxさん。


1月の科目試験では体調不良と激務の中、

夏スク英語の履修の為、楽勝科目よりも

必修英語を最優先に試験対策されていました。


このような方々というのは、

「6科目受験の罠」にもブレることなく、

優先順位を見極め、

順調に履修を進めることができそうだな、

って思いました。


6科目受験を行う場合、

大事なのは「本命科目を見極めること」です。


それは単位の修得のし易さでは無く、

「必修科目」なのであり、

難関科目こそ卒論指導前にクリアしておく必要があるのです。


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