昨晩の「出題編」 の解答編です。
考え方は様々と思うのですが、
ここではまず「修得単位の期待値」を計算してみます。
「どの科目をどれだけ勉強するか」、
については無数の組み合わせがあります。
なので、まずは、
以下の3パターンに場合分けしてみます。
・パターンA「楽勝科目優先」
・パターンB「全科目合格狙い」
・パターンC「必修科目合格狙い」
そして次に、エントリーした6科目を難度別に整理してみます。
楽勝科目:3科目(2日の勉強で合格可能性90%)
普通科目:2科目(5日の勉強で合格可能性90%)
難関科目:1科目(10日の勉強で合格可能性90%)
【パターンA】「楽勝科目優先」
計算せずとも感覚でお分かりになると思いますが、
「とにかく単位が欲しい!」
という場合にはやはり「楽勝科目狙い」です。
試験対策期間は「7日間」ですから、
「楽勝科目」をそれぞれ「3科目×2日」勉強して、
残った1日で「普通科目」を「1科目×1日」勉強します。
これを計算しますと、期待値は、
90%×(2日÷2日)×3科目+90%×(1日÷5日)
=2.7+0.18=「2.88」
となりますから、
今回の科目試験では「2.88科目」に合格できそうだ、
となります。・・・①
【パターンB】「全科目合格狙い」
「6科目エントリーしたからには全勝を狙いたい」、
というパターンです。
で、この場合ですが、
更に時間配分の方法で場合分けしますと、
・全科目同じ時間勉強する(B-1)
・難度に応じて勉強時間を配賦する(B-2)
という2種類のパターンが考えられます。
『(B-1)のパターン』
試験対策期間は「7日間」。
これを6科目で割りますと、
1科目あたり勉強できる日数は
7日間÷6科目≒1.17日
となります。
従いまして、この時の期待値は、
90%×(1.17日÷2日)×3科目
+90%×(1.17日÷5日)×2科目
+90%×(1.17日÷10日×1科目
=1.58+0.42+0.11
=「2.11」
となり、
今回の科目試験では「2.11科目」に合格できそうだ、
となります。・・・②
『(B-2)のパターン』
次は6科目について、
その難度に応じて勉強時間の配賦を変える場合です。
これは6科目全ての合格可能性が一律となるよう計算します。
仮に6科目全てを最大限まで勉強する場合、
必要な試験対策の日数は、
2日×3科目+5日×2科目+10日×1科目
=6日+10日+10日=「26日」
これに対して、
実際の試験期間は「7日間」しかありませんから、
90%×(7日÷26日)=24.2%
すなわち、6科目全ての合格可能性が
一律「24.2%」ということですから、
求める期待値は、
24.2%×6科目=「1.45」
となり、
今回の科目試験では「1.45科目」に合格できそうだ、
となります。・・・③
・ちなみに実は、勉強時間が無い場合、
「6科目受験」よりも「楽勝3科目」の受験の方が、
合格期待値は高かったりします。
【パターンC】「必修科目合格狙い」
難易度よりも「必修科目のクリアが優先」
という方もいらっしゃることでしょう。
自由に選択できる選択に比べて、
必修科目は総じて難易度が高い傾向があります。
ですが、一応今回は
楽勝、普通、難関の3科目を想定してみます。
仮に3科目を難易度に応じて時間配賦する場合、
3科目を最大限まで勉強する日数は、
2日+5日+10日=17日 となり、
求める期待値は、
90%×(7日÷17日)×3科目=「1.24」
となります。
すなわち、必修の3科目に絞って勉強した場合、
「1.24科目」には合格できそうだ、となります。・・・④
従いまして、結果は、
「総修得単位数を多く目指す場合、
楽勝科目をメインに勉強することによって
より多くの単位数を期待できる」
となります。
まぁ、このことは改めて計算するまでも無く、
感覚で分かりますね。^^;(ぇ
ですが、実はこれらのことが問題なのです。
「6科目受験に潜む罠」について。
まず、①と②を比較します。
最初はより多くの単位を修得しようと
6科目フルエントリーします。
ですが、思うように学習が進みませんと、
「今回は時間が無いから楽勝科目に専念しよう」
となります。
最初から必修科目しかエントリーしていなければ、
それ以外の科目には逃げてみようがありません。
そのまま強制的に必修科目を勉強することになります。
ですが、必修科目の他に楽勝の選択科目がある場合、
普通難度の科目や、難関科目については、
今回中途半端に学習するより、次回改めて勉強しよう、
ということで受験が回避されます。・・・⑤
次に②と③の比較です。
合格期待値を見ますと、
6科目全てについて対策する場合、
その合格期待値は
6科目全て同じ時間勉強する時で「2.11科目」、
難度に応じて勉強する時で「1.45科目」となっています。
これが必修科目についてのみ勉強する場合、
その合格期待値は「1.24科目」となります。
その為、
総修得単位数を意識した場合、
「必修科目にだけ専念するより、
6科目満遍なく勉強した方が良い」、
という行動を取るようになります。
ですが、これを全体では無く、
「必修科目」についてのみ計算してみます。
(B-1の場合)
90%×(1.17日÷2日)×1科目
+90%×(1.17日÷5日)×1科目
+90%×(1.17日÷10日×1科目
=0.53+0.21+0.11
=「0.84」
(B-2の場合)
24.2%×3科目=「0.73」
となり、これは、
「必修3科目に絞って勉強した場合は、
1科目以上の合格を期待できる」
「6科目満遍なく勉強した場合、
6科目全体としては1科目以上の合格を期待できるが、
必修科目だけを見た場合、
その合格期待値は1科目未満になる」
ということを示しています。
これはつまり、6科目受験した場合、
選択科目には合格できても
必修科目には合格できない可能性が高い
ということです。・・・⑥
結論です。
⑤、⑥より、6科目受験の場合、
全てを最大まで学習できる場合は別として、
「学習時間が限られている場合、
必修科目がほとんど学習されず後回しになったり、
あるいは他の選択科目に学習時間を取られ
必修科目の撃沈率が上がる」
ということです。<6科目受験の罠
入学して最初の目標となりますと、
それは「卒論指導登録」の条件充足です。
ところが、この卒論指導登録の条件には、
「必修語学6単位」以外、
総合教育科目にも、専門教育科目にも
必修の縛りは無いのです。
なので、「必修科目は大事」と知りつつも、
卒業予定年数が決まっている方や、
卒業を急がれる方は、
とにかく「総修得単位数を増やすこと」、
これが最優先となってしまいます。
結果、必修科目をほとんどクリアすることなく、
卒論指導に突入されてしまう方も多いのです。
どうしてもクリアしなければならない必修科目がある場合、
その1科目に集中して学習を行えばクリアできそうなのに、
総修得単位数も増やさないといけない、
ということで6科目受験→学習効果が分散して撃沈、
というケースです。
楽勝科目を優先に履修し卒論指導登録の条件充足、
そして、複数の難関科目対策と同時進行で卒論作成を進める、
という状態に陥ります。
昨日の出題編でのかぼす先輩のコメントは、
単位の修得のし易さよりも、
卒論指導前に難関科目のクリアを優先とするものでした。
また、実践としては69期秋組のmaxさん。
1月の科目試験では体調不良と激務の中、
夏スク英語の履修の為、楽勝科目よりも
必修英語を最優先に試験対策されていました。
このような方々というのは、
「6科目受験の罠」にもブレることなく、
優先順位を見極め、
順調に履修を進めることができそうだな、
って思いました。
6科目受験を行う場合、
大事なのは「本命科目を見極めること」です。
それは単位の修得のし易さでは無く、
「必修科目」なのであり、
難関科目こそ卒論指導前にクリアしておく必要があるのです。
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