長い沈黙が続く中、最初に口を開いたのは霊人だった


霊人「ダークが旅に出て一ヶ月になるんですね・・・・」


モノクル「そうだなー」


ジーク「ったく暇で暇でしょうがないぜ」

ジーク「今頃ダークどうしているんだろうなー」



今、三人はダークの家の隣に家を建て暮らしている

毎日のように色々な能力者と戦うがどれも三人に敵うものはいなかった



ジーク「修行しているつもりなんだけどなー」

ジーク「この辺の能力者は弱くって話にならないぜ」


モノクル「まぁ、そういうな」


ジーク「でもー」


モノクル「魔界にいた頃だっていつもこんな感じだったろ」

モノクル「唯一あっちと違うとのは平和すぎることだが」


霊人「でも平和が一番ですよ」

霊人「また魔王みたいな奴が暴れまわったらどうするんですか?」


ジーク「そうだな、平和が一番かもしれない」



ドンドンドン! ドアを強く叩く音が聞えた



モノクル「ん? 客か?」

モノクル「にしても一体誰だ・・・・・」


霊人「いや、違う。これは・・・・・ダークの家の方だ」


ジーク「まさかもう帰ってきたわけじゃないだろうな」



三人が玄関扉を開け外に出る

ドアを叩いているのはギターを持った青髪の爽やかな青年



青年「ダーク、早く開けてくれ! 君に良い知らせを持ってきた!」



その青年にモノクルが話しかける

青年は「誰?」と言わんばかりの表情で此方を見た



モノクル「ダークに何か用?」


青年「ちょっとね」

青年「・・・・・もしかして留守?」


霊人「はい、残念ながら・・・・・・」


青年「ライトの家に行っても誰も出ないし一体どうなっているんだ」


霊人(そうか・・・・この人何も知らないのか)

霊人(ダークが旅に出たのもかなり急だったからなー)

霊人「ダークは暫く帰ってきませんよ」


青年「え? あいつどうしたんの?」


霊人「ダークは一ヶ月前に旅に出ました」


青年「えぇー!! 何時帰ってくるの?」


霊人「一年後ぐらいって聞きましたけど・・・・」


青年「そんなー じゃあ間に合わないじゃん」


霊人「間に合わない?」


青年「そう、ちょっとこれを見てくれ」



そう言うと青年は一枚のポスターを差し出した



霊人「最強の能力者決定大会・・・・・?」


モノクル「随分とストレートな名前だな」

モノクル「これだけで何をやるのかすぐ分かる」


青年「俺の目的は優勝商品なんだけどね」


ジーク「優勝商品?」


青年「なんでも自分がデザインした武器を作って貰えるらしいんだ」

青年「どうしても俺だけの武器が欲しくてね」

青年「それでダークには悪いけど一緒に大会に出てもらおうと思っていたわけ」


ジーク「ダークと・・・・ってチーム戦なのか?」


青年「あぁ、五人一組のチーム戦でね」

青年「先に三勝した方の勝ち。単純だろ?」


青年「でもダークがいないってなると諦めるしかなさそうだな・・・・・」



ジーク「じゃあ! じゃあ! 俺達と一緒に参加しないか?」


青年&モノクル「え?」


モノクル「お前、何言って・・・・・」



青年「でも・・・・・・君達強いの?」



三人は驚いた。この自信あり気な表情でこんな台詞を言われたからだ。



ジーク「なら俺が相手になってやる!」

ジーク「俺と戦って確かめればいいだろ? 俺の強さを」



青年「いいだろう、俺にぶつけて来い! お前のハートを!」



霊人「ハート・・・・・・?」