癒しと温かな手の学校の窓から -20ページ目

老人ホームボランティアにて

ここ最近、特に保育士さんの処遇改善の必要性を

様々な場所で耳にしますが、

私自身、子供を保育園で預かっていただき、

安心して働ける環境を作っていただきながら、

日々、親子共に沢山のことを学ばせていただいていることに

ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。



そんな中、保育士さんと同様に、介護士さんの処遇も

改善される必要性があるのではないか、

そんなことを改めて感じた先週末でした。



その日はこれまで10年以上、続けさせていただいている

老人ホームへのボランティア訪問でした。

マッサージをさせていただいたご婦人の中に、

「バカ、バカ」といった言葉を発する方がいらっしゃいました。

それはご婦人のせいではなく、ご病気のせいだとわかっていても、

少しの時間、共にした私だって心が辛くなる瞬間がありました。

介護士さんはその方をお連れになって、

「そんなことを言ってしまったりするものの、

やっぱりなかなか動けず足がむくんでしまうので、

少しでも楽にしてあげてくださいね。」

とおっしゃっていました。


介護士の方は、日々一緒に過ごされて、

時には頭ではわかっていても、

心では受け止められない時もあるのではないか、

そんなことを勝手に想像し、

介護士の方の優しさを感じながら、頭が下がる思いでした。


そんなご婦人にもふとした瞬間、笑顔が見えたりすると、

「もしかして、気持ちいいと感じていただけたかな?」

なんて、私が喜びを感じさせていただいたのでした。



そして、こんな出会いもありました。

本当にしっかりとした足取りで、健康そうなのに、

どこか笑顔がなく、寂しそうなご婦人。

マッサージをしながら話をしていると、

一か月前に入所したものの、本当はまだまだ一人で

暮らせると思っていたし、それを望んでいた。

でも、お嬢様がホームの近くに住んでいて、

お母様のホーム入所を希望されたため、お嬢様の顔を立てるため、

そして働くお嬢様の迷惑にならぬようにと、入所を決断されたそうです。


ご婦人の想い、そして入所をすすめたお嬢様だって、

お母様を一人にしている間に、お母様の身に何かあったら・・・

と心配する気持ちがあったのだろうと

両者の想いを想像すると、切ない気持ちになりました。

「あと5年くらい元気に生きて、ぴんぴんコロリでいきたいものだわ」

そんなことをおっしゃるご婦人に、

「5年と言わず、10年も15年もご自身の足でしっかり歩き、

元気に過ごしてくださいね」としか言えない自分がおりました。



これからますます続いていくことが予想される

少子化時代、老老介護時代・・・・。

冗談のように「ぴんぴんコロリ」とおっしゃる方の想いは、

冗談ではなく、大切な人のことを想う気持ちからくる

本心なんだろうといつも思います。

誰にも迷惑をかけたくない、

特に大切な人に苦労かけずに最後を迎えたい。

誰もが思う優しさからくる気持ちです。



窮屈になった心も、病気のせいで動きにくくなった体も、

どんな状況の方にも、健康寿命を延ばすお手伝いができたら、

そんな想いでいつも仲間と共に活動させていただいております。

その想いを募らせながら行う老人ホーム訪問も、

ホームにいらっしゃる何十人もの方々の足を

一人で担当させていただくことはできません。

いつもその想いを持ち、

力を貸してくださる仲間の存在に感謝しつつ、

今回もホームを後にしてきました。