築地が火事になってしまいました。


築地市場の移転問題、
将来どうなるのかなあ…

良いかたちで残ってくれたらなあ、と思います。


老朽化であったり、安全面、地震対策など、

多々、問題面はあるのでしょうが、


発想の転換、人間の叡智、人の暮らしや街並みに対する愛情、愛着、を結集させれば、


築地は素敵に再生、存続、出来るかもしれない…


それが本当に、もし出来たとしたなら、


それはそれは、素敵で、素晴らしいことだと思います。



ドイツのロマンチック街道沿いに、「中世の宝石」と称される、ローデンブルグという街があります。

第2次世界大戦の空襲で、街の四割が焼失、粉々に破壊、壊されてしまいました。

終戦後、

新たに、新しく街を作るのか、

受け継いだ歴史を大切にして、中世からの街並みを復元させて、街を再生させるのか、

街の意見は、真っ二つに分かれました。


そして、

ローデンブルグは、破壊前の中世の街並みを忠実に復元する、

代々、受け継ぎ、築き上げてきた歴史を守り、残す、

という、選択肢を選びました。


今でもローデンブルグの人たちは、自分たちが受け継いできた伝統、歴史を大切にしながら、街を守り、そして生活しています。



翻って、日本の話。


国立競技場(=国立霞ヶ丘陸上競技場)は、設計者が戦争体験者で、反戦や平和への強い気持ちを抱きながら、国立競技場を設計したと聞いたことがあります。

その周りには、
全国の市民の苗木の寄付と植樹協力で出来た森、明治神宮外苑の森があり、

私にとって思い入れの深い、日本青年館の建物もありましたが、

どんどん壊されていってしまいました。


新国立競技場の問題。


ザハ案が大規模過ぎるし、コストが高過ぎると問題が出た時、


国立競技場はまだ残っていました。


国立競技場の改修案もあったのに、さっさと解体工事をされてしまって、


あっという間に、
国立競技場は壊されてしまいました。


その後に行われた
新たな新国立競技場 設計案のコンペは、A案、B案、の二案だけで、値段もほとんど一緒。


建物を壊して、建てる、

そこには大きく費用が発生してくるので、

そういったものに物凄く利権が絡んでいて、


魅力的な街並み作り、
人々が幸せになる街並み作りなど、


2の次、3の次、4の次、
眼中ない


そういうことなのだな、と思いました。



だからこそ、

築地も同じパターン


築地市場問題に注目しています。



「本当は移りたくないです、築地で商売、仕事をこれからも続けたいです」


街の人たち、市場の人たちの意見や本音、本当の気持ち、


そういうことが、とても大切だと思います。


そして、
もし、豊洲に移る、そう決定するとしたなら、


そちらを実際に使う人たちの、使い勝手や利便性をしっかり考えて、


みんなが幸せになれるような、


そんな建物をきちんと設計して、きちんと建てて欲しいものです。


そういうことが、国の力、国力、「本当の豊かさ」なのではないでしょうか…



そこで生きてきた、生活してきた街の人々の気持ちや、街並みや、市場の使い勝手、利便性など、どうでも良くて、


利権、利権、利権、利権、利権、


に走って、


人々が築いてきた歴史を、
平気でどんどん壊しては、

自分の懐にたんまり利益や得やお金が入ってくることだけを考えて、上手に立ち振舞っている。



築地市場問題に注目して、観察することは、


そんな権力の支配構造、社会の歪みに、
光を当てることに繋がる…


私は、築地市場問題を、そのように捉えていて、


だから

築地市場問題に、


とてもとても、関心があります。



関心を持ち、注目し、意見を述べ、発言し、


話題に上げる、
話題に乗せること、


そのものに価値があります。


ちゃんと関心を持ち、注目して置かないと、


歴史とともに、人々が大切に育んで来た

当たり前の風景として、
慣れ親しんで来た、

自然で、日本らしい風景、
歴史のある暖かい街並みが、

利権が大好きな人たちによって、

知らないうちに

どんどん、壊されていってしまいます。


そんな風に思うのですが…



話が飛躍するかもしれませんが、


テレビ新春ドラマ『白虎隊』を見て、とても心に残って、

福島の会津若松市、喜多方市などを訪れました。


その時、車窓から眺めた、日本の原風景
(げんふうけい) とも言えるような田んぼの景色、古い街並み、


新鮮なきゅうりやトマトを丸かじりするだけで、とても幸せになれたこと。



その後、震災が起こり、
原発の放射能の被害にあってしまった福島のことを思うと、本当に本当に悲しくなりました。



新しいものもいいです。

人間が、進化や発展を望むことは、
とても自然なことなのでしょう。


新しい物を作ることであっても、

古くからある物を守ることであっても、


ちゃんと、人間らしい、
暖かい心を大切にして、


一つ一つを決めていける…


そんなイカした市民、国民になりたいし、


そんなイカした国に、
イカした日本に住みたいものです…