初めまして。

 

「アロマテラピーの教科書」では、アロマテラピーの基本のキから実践的な知識まで、アロマテラピーを知って使えるようにするための情報をお伝えしてまいります。

 

はじめに、アロマテラピーとは何でしょう?

 

 

「アロマテラピー」を定義する言葉にはいろいろな表現がありますが、「アロマテラピーとは、植物の芳香成分を使って、心身の健康や美容に役立てる療法」と言えます。

 

香料の使用は有史以来、太古の昔から行われてきましたが、アロマテラピーという言葉が生まれたのは20世紀になってからです。

 

フランス語でアロマテラピ(aromathérapie)、英語ではアロマセラピー(aromatherapy)は、「アロマ=芳香」、「テラピ(セラピー)=療法」  の2つの言葉を合わせた造語で、芳香療法の意味になります。

 

この言葉を最初につかったのは、フランスのルネ=モーリス・ガットフォセ(René-Maurice Gattefossé)(1881~1950)で、1927年あるいは1928年のことと言われています。

 

ルネ=モーリス・ガットフォセは父親の経営する会社で働く化学者でした。

 

その会社では、従来の事業に加え、精油の輸入と合成香料の輸出をはじめていました。

 

当時、香料化学の分野ははじまったばかりで、香料の成分もまちまちで、品質が安定していませんでした。

 

そこでルネ=モーリス・ガットフォセは、家族とともに香料の研究をはじめ、純度の高い香料化合物をつくることに成功しました。

 

また香料の原料となる植物の栽培技術の発展にも貢献し、ラベンダー、ミントの栽培法や蒸留法をを指導したり、フランスの植民地での香料植物の栽培の発展に寄与しました。

 
彼がが29歳の時(1910年)、会社の研究所でおきた爆発事故で、ひどい火傷をおってしまいます。

 

患部がなかなか治癒せず、ついにはガス壊疽になりました。

 

ガス壊疽とは、大きな外傷によって血行が障害され、皮下組織で細菌が増殖して、ガスが作られる感染症となることをいいます。

 

皮膚は変色し、痛みも激しく、筋肉が壊死して、ショック死をおこすこともあります。

 

最後の手段として感染症の傷にラベンダー精油を塗ったところ驚くべき効果があったことから、、精油には消毒作用や治癒作用があることを確信し、皮膚病学に芳香植物を利用する研究や美容のための製品開発などを行いました。

 

 

1937年には研究の成果をまとめた「Aromathérapie」を発刊しました。

 
その後の抗生物質の出現によって、医学の分野で精油が必要とされることはなくなりました。
 
それでも、今日までアロマテラピーが使われ続けているのは、薬とは違ったすばらしさが精油にはあるからです。
 
これから少しずつアロマテラピーのお話をしてまいります。