スカイマークの挑戦とサウスウェスト航空の逆襲(1) | 現役翻訳者が教える、世界に羽ばたく翻訳者になるレッスン

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在米英日翻訳者。英語・日本語教師。著書『写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』(クロスメディア・ランゲージ社)が発売中。翻訳者志望者・世界で輝きたい方・海外市場に進出したい翻訳者を応援します。

スカイマークが公開した新しい客室乗務員の制服が、ミニスカートなので下品だとか物議を醸しているそうだ。

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〝ミニスカ〟CAに物議も  スカイマーク、中型機導入

この記事を読んで、咄嗟にテキサス州のサウスウェスト航空を連想してしまったのは、私だけだろうか。

・・・サウスウェスト航空について、少し説明しますね。

テキサス州ダラスを拠点とするサウスウェスト航空は、1967年創業の格安航空会社(LCC)の草分け的存在だ。
ここの客室乗務員の制服が、ポロシャツとキュロットパンツというカジュアルないでたち。
(創業当時はホットパンツとゴーゴーブーツだったのだそうだ)。

私は、ウン十年も前の学生時代に、アメリカ国内を移動する際に利用していた。
とにかく航空運賃が安く、貧乏学生にはありがたかった。
安い時間帯に飛べば、大手の航空会社の4分の1ぐらいの値段だった。
何だか当時から、全席エコノミーで先着順の自由席であるとか、搭乗時には紙の搭乗券ではなくてプラスチックでできたビラビラの番号札を配って、着席が終わるとその札をまた回収して再利用するとか、徹底したコスト削減を行っていて、特徴的だった。長距離でもピーナツ程度しか出ないので、腹ごしらえをしてから搭乗する必要があった。

しかし何より奇抜だったのは、客室乗務員の対応だった。

マニュアルがあるんだかないんだか、アナウンスが変なのだ。

私が乗ったときは、確か乗継ぎでラスベガスかどこかの空港に向かっていたのだが、着陸態勢に入ったときに、乱気流で飛行機が激しく上下に揺れた。

機内に緊張が走る。普通の航空会社なら、「皆様、お座席のベルトをしっかりとお締めください」と言う状況だ。英語なら、「レイディーズ・アンド・ジェントルマン・・・」で始まる、フォーマルなアナウンスを期待していた私。

ところが、サウスウェストの客室乗務員の女性は、たった一言。。。

Don't even think about it」と言ったのだ。

???

・・・訳すと、「考えるのもダメよ」とか「考えるだけでも許さないわよ」みたいな感じか。

(立って歩いたり、ベルトを外そうなんて)考えただけでもタダじゃおかないわよ、みたいな。

まあ、座席のベルトを締めてくれ、立つな、という意味に変わりはないが・・・。

客室乗務員が、こんな口の利き方をしていいのか~~~?!
この会社はアナウンスのマニュアルがないのか?

私は唖然としてしまった。

ところが、誰も文句を言わないで指示に従っている。
むしろ多くの男性の乗客など、半分にやけているような・・・。
ひょっとして、セーラームーンとかキューティハニーに「おしおきよ」と言われたら、あんな顔になるのか?というような表情だった。

心なしか、機内の緊張も緩んだような・・・

そして、乱気流の中を機体が無事に着陸すると、乗客から拍手喝采が。

・・・不思議な会社もあるもんだ・・・

私は、キツネにつままれたような気持ちで飛行機を降りた。
あまりにも突飛な体験だったので、ずっと覚えていたのだ。

日本に帰ってからも、「テキサス」を思い出そうとすると、あの元気な客室乗務員のお姉ちゃんの「Don't even think about it」が思い出されるぐらい、その印象は強烈だった。

サウスウェスト航空は、今でもあんなふうにユニークなのだろうか。。。

そんなことを思いながら、サウスウェスト航空の歴史を調べてみたら、すごいことがわかった。

なんとサウスウェスト航空の歴史は、想像を絶するほどの迫害と闘いの歴史だったのだ。

長くなってきたので、続きは明日。