プロと人間 | (改題)PD/PTSD/心臓病自称ビジネスアーティストがなんとか生きていくブログ

プロと人間


今夜、細木数子の番組で
コント赤信号の渡辺氏が出ていた。
で、数時間前に母親を亡くし、それを見せず
笑わせることに徹して出てきた渡辺氏。

細木さんは、
「これぞ男。これぞ芸人魂」
と言っていたけど

芸人だけじゃないんだよね。

ついつい、僕もつられて泣いたけど
アフォみたいに、ぼろぼろ泣いたけど

先月、僕も育ての親、祖母を亡くしている。

一報をもらった時は、まだ意識もなんとかあり
存命中。
しかし、雑誌の入稿中とイベントの仕込みの段階だった。

とても最高責任者の僕は現場を離れられない。

一番、最後に一緒に居てあげたかった
一番大事な祖母が、亡くなろうとしているのに
車で飛ばせば2時間で着く場所なのに

僕は笑って仕事をしていた。

だって、

「プロだから」。

プロと人間は、対局に居るといつも思う。
前にレースを僕はやっていて
チームも持っていて
バイクの世界グランプリのあるグランプリの時に
チーフメカニックの子供が危ない状態になったと連絡があった。

偶然電話の近くに居た僕だけが気づいたけど

彼は、「誰にも言わないでくれ」
と言っただけだった。
気持ちは、同じプロとしてわかっていたから
しかも、決勝前日だったから

そして、誰にも言わず、二人だけで心に隠して
決勝を迎え
見事、世界で2位を取った。

アフォみたいに泣いた。

なんであそこまで喜んで泣いたかは
皆わからなかっただろう。
二人で泣いた。
裏があったからね。

運良く子供も良くなったけど

今回は、そうはいかなかった。

入稿作業中に、祖母の死を知らされることは無かった。

母親が、プロである僕に気を遣ってくれて
仕事が終わるまではと、1週間以上隠し通していてくれたのだ。

仕事が終わってホっとした時に、既に亡くなって
お通夜も葬式も行われたことを知った。

そう、僕らは「プロ」なんです。

お客様、読者、クライアント、スタッフには
僕ら個人的事情なんて、一切関係ないんです。
経営者も同じだ。

そこまでする経営者っているのかな?
ネットベンチャー勝ち組の中には?

経営の「プロ」と名乗るなら
親とも子供とも、今生の別れを済ませて欲しい。
大事な仕事の時に、プライベートな理由で
その場を放棄することは、「プロ」には許されない。

人間としては、最低だ。

自分でも思う。

でも、俺はプロなんだ。
お客様より大事なものは、この世に存在しないのだ。

でも、俺は経営者なんだ。
スタッフより大事なものは、この世に存在しないのだ。

だから、子供も一切作ってこなかった。
辛い思いをさせるのが、目に見えていたからだ。

錦野あきら氏も奥さんが亡くなった時
一切隠して、仕事してた。
ディナーショーだったから
知られたら、お客様が心底楽しめないと。
ドキュメント番組が張り付いていたにもかかわらず
誰にもそれを言わなかった。
どっから漏れるかわからないからだ。

そして、仕事が終わってから
実は・・・と告げる。

まさに、プロだ。

人間としては、ホント最低ですよ。
自分でもわかってます。
自分の最愛の女が死にそうでも仕事があったら、仕事優先です。
子供でも同じです。
誰が相手でも同じです。

仕事、お客様が優先なんです。

だから、人間としては終わってます。

でも、それが俺の選んだ道なんだから
俺は、信念を曲げず
突き進もうと思ってます。

皆さんは、

人間としての成功を目指すのか?

プロとしての成功を目指すのか?

どっちですか?

できれば、人間として目指してください。