9,10巻に引き続き、「精神科編」。相変わらずブラックな内容だ。
「医療観察法」という法律が出てくる。これは「過去何度も持ち上がっては立ち消えととなった有名な法案」らしい。内容は、「犯罪を犯した精神障害者は施設に収容して再犯の恐れがなくなるまで収容する」というもの。これが精神病患者を「生涯、施設に隔離することも可能にする法律」として、「戦前の治安維持法と同じく」何かしでかそうな人は人は抑えておくというものではないか、また、再犯の恐れがなくなる、つまり精神病が完治したという判断はどうやってするのかという点で、いろいろ議論がされている法律らしい。
《心神喪失者医療観察法》 精神科医や精神保健福祉士らのチームが国のガイドラインに基づき個別に計画を立て、先進的治療を提供する。保護観察所の社会復帰調整官も病院や自治体と連携して支援する。入院は1年半が基本。半年ごとに裁判所が入院継続の是非を判断し、本人が退院を申し立てることもできる。通院は最長5年。入院期間の制限はなく、「社会防衛のため、長期入院させられるのでは」との懸念もある。(2005年3月27日朝日.comより)
この法律は「01年に起きた大阪教育大付属池田小の殺傷事件で新たな制度を求める声が高まったのをきっかけに、03年に成立し」、国の見解としては「精神医療全体の底上げにつながる」と評価しているらしい。施行は今年の7月。しかし、ここで問題が。現在、「専門病棟が住民の反対などで十分確保できない」。住民の反対とは、精神病棟が近所にあると「危険だ」「逃げたらどうする」「地価が下がる」と言ったもの。まだ、この法律施行に向けて必要な新病棟建設が着工できたのが全国で3箇所だけで、改正案には「都道府県立精神病院を代用するなどの経過措置を新たに盛り込む方向で、今国会にも改正法案を提出、遅くとも秋には成立させたい考え」らしい。「異例の施行前改正」ということで、ニュースになっている。
「精神障害者の再犯率は健常者に比べてずっと低い」という事実を受け止めることのできない地域住民の理解不足が問題なのか?そもそも憲法の「基本的人権」が侵害されているようなこの法律成立自体がどうなのか?いろいろ考えさせられるところ。
