このブログの趣旨である「エンタメ作品」ではないが、書かせてください。くらくらと目眩を起こさせる話が詰まってます。読後感は当然最悪で、金親子の人間を越えた非道っぶりに呆れて悲しくてやるせなくなるけど、同じ世代を生きる人間として読む価値はある。簡単に言うと、暴君である金日成、金正日が君臨する北朝鮮50年の歴史を描いた漫画。もともとは1998年に韓国で出版されたが、同年に太陽政策を掲げる金大中政権が誕生したことにより発売後即絶版になってしまった幻の作品。それに「日本人拉致事件」「核の問題」を描いた漫画を加え、日本で出版された。膨大な関連資料や証言をもとに書かれた真実の北朝鮮の姿が描かれている。日本人拉致事件、スパイ(工作員)、「喜び組」、金正日の生い立ちと、酒池肉林っぷり・性格破綻者・嘘つき・飽くなき権力欲・マザコンの姿、飢餓で苦しんでいる大勢の国民、など北朝鮮という不思議な国について思い浮かぶキーワードについてはひととおり押さえてある。
とても興味深かったのは金正日が打ち立てる経済政策。「養殖が成功したら人民はたらふく貝を食べることができ、残りは輸出して外貨をたんまり儲けることができる」という名目で「貝の養殖運動」「ナマズの養殖」「ダチョウの養殖」などさまざまな養殖運動に国民が駆り立てられる。単に、金正日が貝やナマズが好きだったかららしい。その名も「画期的新政策」。おいおいアホですか。
一事が万事そんな調子。本能のまま生きているとでもいうのでしょうか。気に入らなければすぐ人を殺すし、いらなくなれば女性もポイ捨て、成績のいい兄の記録が残った学校は燃やすし、やることなすこと大胆不敵で支離滅裂で理解不能で言葉になりませんがな。
「喜び組」というのがまた想像以上にすごい女性の集まりらしい。毎年学期のはじめになると9才から10才の少女には選抜テストが実施される。容姿、身分、将来的に背が高くなる少女が選ばれ、一年に一回病院で頭の先からつま先まで検査をさせられ、年に2回、学業成績や身辺調査があり、高等中学校に上がったら産婦人科で処女検査を実施。20才、背が160センチまで成長したら男性と交際できない環境に隔離。その後、金正日の目にとまったら、性的な関係をもち、その証にもらえる金正日のサイン入りオメガの腕時計がひとつのステイタスとなる。しかし、「喜び組」でいられるのは25才までで、その後は秘密保持のために、金正日が認める忠誠心に満ち満ちた年寄りと結婚させられるらしい。
………この本に書いてあることが本当だとしたら、おそろしすぎて、言葉にならない。
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