1968年当時、金日成主席を暗殺するために国家機密の暗殺部隊が存在していた、という実在の話をもとに描かれたショッキングな韓国映画。減刑と引き換えに暗殺を命じられた死刑囚ら31人から成る暗殺部隊は無人島のシルミ島で死と向かい合わせの壮絶な訓練を行う。映画の前半部分はひたすら辛くて苦しい訓練の様子が描かれるが、基本的にとても上手に丁寧に映画を作っているのでぐいぐい引き込まれて思わず見続けてしまう。

戦争映画は恐くてあえて避けている私だけど、この映画は最後までちゃんと見ることができた。後半部分は人情話が展開するので、この映画の悲惨な結末が一層むなしく感じる。しかし、まさか「バトルロワイヤル」になるとは…!鍛え上げられた殺人兵器たちの機敏なまでの動きは見ていてとても悲しい。

この映画では歴史に翻弄される理不尽な死を描き出す。そして、ただの殺人者だと思われていた事件の裏側を描くことで、事件から50年経ってからようやく闇の中の真実が顔を出す。
見終わったいまは、ただ、シルミド事件で亡くなった人々のご冥福をお祈りするだけです。

★シルミド事件の年表★
1968年 青瓦台襲撃事件(1.21事態)発生。
北朝鮮人民軍特殊部隊31名が青瓦台(韓国大統領府)付近にまで侵入。韓国警官隊と銃撃戦を展開したという軍事停戦以来最大の武装ゲリラ事件。北朝鮮人民軍側の27名が射殺され、3名が逃亡、1名を逮捕。韓国側の死者68名、負傷者66名。
1968年 4月 「684部隊」創設。31名の訓練兵が、実尾島(シルミド)に集められる。
1969年 4月15日 北朝鮮、アメリカのEC121型偵察機を、領空侵犯の名目で撃墜。南北緊張が高まる。
1970年 2月 ニクソン・ドクトリン発表。アジアの緊張緩和の方向性が示される。
1971年 4月 大統領選挙実施、パク・チョンヒが再選されるも、野党・新民党のキム・デジュン(金大中)候補が大善戦、南北融和のムードが高まる。
1971年 8月15日 北朝鮮外相、平和統一に関する8項目を提案。
1971年 8月20日 南北赤十字連絡委員会が、板門店で初の対面。離散家族問題に
ついて話し合う。
1971年 8月23日

午前6時 24人の訓練兵がシルミドから逃亡する。
午前6時15分 シルミドと空軍司令部との通信機関が閉鎖される。通信機関に詰めていた24人中わずか6人の兵士が生き延びる。
午後12時15分 逃亡訓練兵、インチョン・ドッペブリ海岸に上陸。
午後12時53分 逃亡訓練兵、最初のバスを奪取し、ソウルへ向かう。インチョン・ソン島駅三叉路にて、待機中の陸軍兵24人と小戦闘。2人が重傷を負う
午後1時10分 インチョン・オンリョン峠で、1回目の激しい戦闘。
午後1時20分 インチョン・チュアン交差点とカンソク洞峠の間で、2台目のバスを奪取。
午後1時30分 インチョン・ソサ三叉路で、警察官1名を射殺。
午後1時38分 インチョン・シニャンチョン検問所で、警察官1名を射殺。
午後2時15分 バスがソウルに侵入。バスの運転手は、ヨンドンポ区ムルレ洞
で脱出。
午後2時25分 ソウル・テバン洞ユハン洋行前で、最後の戦闘。
事件当時のバス乗客たちの証言では「最初の銃弾は、確かにバスの外から撃ち込まれた」逃亡訓練兵、一部が手榴弾を爆発させ、自殺を試みる。4人、生き残る。

1971年 8月25日 チョン・ネヒョク国防長官が更迭される。
1972年 3月10日 4人の生存訓練兵の死刑執行。
1972年 7月4日 南北共同声明発表。北朝鮮と韓国の代表が平和への合意と隠密の軍事行動によって交戦状態を刺激しない誓約に署名した。

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DVD: シルミド / SILMIDO



著者: イ・スグァン, 米津 篤八
タイトル: シルミド・裏切りの実尾島・



著者: ファン・サンギュ
タイトル: 実尾島(シルミド) -生存者キム・バンイル元小隊長の証言-



著者: 城内 康伸
タイトル: シルミド―「実尾島(シルミド)事件」の真実