この漫画自体がドラッグ。
読んでるうちに、ジャンキーになりゆく己の存在に気づくことだろう。読後は「おらあもう、現実(リアル)がとんとわかんねえぇぇ…」と呟いてしまうだろう。これは一度味わったらクセになるぞ。

ご存知、クドカンこと宮藤官九郎がこの作品で映画監督デビュー するそうな。弥次さんには長瀬智也、喜多さんには歌舞伎俳優の中村七之助を起用。内容は、漫画「真夜中の弥次さん喜多さん」をベースにしながら、第5回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を獲得した続編的内容の「弥次喜多 in DEEP」 とその小説版 の要素も加味していくらしい。

漫画は、元々は江戸後期の享和ニ年(1802)に出版された十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」 をベースに描いているということも押さえておきたい。その内容は、ひょうきんな弥次郎兵衛と喜多八が江戸品川を出発し、東海道を下り、伊勢参りをすませ、京大阪を見物するというもの。1958年には「弥次喜多道中記」というタイトルで映画化もされている。多分、漫画「真夜中の弥次さん喜多さん」を見る前に、この辺にも触れていたほうがもっともっと面白いかもしれないです。

前置きが長くなったが、漫画について。

しっかりものの弥次さんと極度のヤク中である喜多さんはホモ同士で、お互い心底愛し合っている仲。ヤク中の喜多さんを救うために二人はお伊勢参りの旅に出る…。ここまでがイントロの「日本橋」編。ページ数で言うとたったの4ページの「日本橋」だが、腰が砕けそうに笑える。ヤク中でぐでんぐでんの喜多さんと彼をしっかりと支える弥次さんの描き方が秀逸。この部分だけで、しりあがり寿の世界にどっぷり浸かってしまった。

その後、「品川之宿」「小田原之宿」「沼津之宿」など着々と歩みを進めていく二人だが、お伊勢に近づけば近づくほど、喜多さんのリアルと幻想の壁が曖昧になっていき、トランス状態に陥っていく。ストーリー設定もさることながら、作者のイマジネーション力に感嘆の声をあげずにはいられない。その中には笑いの要素がいっぱいで、頭はまげでビキニで踊る女を描くなど、江戸に現代を盛り込む手法にも参った!

何度も書くけど、一度読んだら何度も読みたくなっちゃう中毒性を持った漫画なので、かなり危険です。続編「弥次喜多 in DEEP」 (全8巻)が作られたことも納得の傑作。「真夜中の弥次さん喜多さん」1巻でハマちゃった人は、全巻購入する覚悟を決めましょう。

もしこのレビューが参考になったらクリックしてください♪(blogランキング)

★公式サイト★
クドカンの映画:http://yajikita.com/
しりあがり寿 :http://www.saruhage.com/

★関連商品★


著者: しりあがり 寿
タイトル: 真夜中の弥次さん喜多さん (1)



著者: しりあがり 寿
タイトル: 真夜中の弥次さん喜多さん (2)



著者: しりあがり 寿
タイトル: 小説 真夜中の弥次さん喜多さん



著者: しりあがり 寿
タイトル: 弥次喜多in DEEP (1)
「弥次喜多 in DEEP」(全8巻)