ご存知、「PLUTO」は「地上最大のロボット」のリメイク漫画で手塚治虫へ捧げるオマージュ作品。無性に原作が読みたくなって、手塚治虫「地上最大のロボット」付き豪華版「PLUTO 1」を購入。通常版も持っているのにー。

いやもう、ほんとに、手塚治虫も浦沢直樹も天才!読みながら、う~む、う~む、う~むと何度も唸ってしまう。

原作の簡単なあらすじはこんな感じ。7人の地上最大のロボット(アトム、モンブラン、ブランド、エプシロン、ヘラクレス、ノース2号、刑事ゲジヒト)を倒すために作られたプルートゥが、人間の命令に従い次から次へと優秀なロボットを倒していくが、アトムやウランとの出会いによって、「心」を手に入れるというもの。友情、愛、愚かな人間に対する痛烈な批判、世界平和への願いがシンプルに描かれている。

一方、リメイク版は、原作のストーリーを大切にしつつも、主人公も、雰囲気も、アプローチの方法もまったく違うんだな。具体的には…

リメイク版の主人公は、アトムではなく、刑事ゲジヒト。原作では2~3ページで消えていく脇役。この刑事が、モンブランが殺された事件の捜査を手がけるところから物語はスタートする。リメイク版で何よりも注目すべき点は、原作では描かれなかった行間のような部分にたっぷり肉付けをしているということ。具体的には、原作ではあっさり殺されていくそれぞれのロボットたちのバックグラウンドまでを深く描いている。ここの部分が実にいい。ロボットたちのエピソードを詳細に記すことによって、ロボットたちにどっぷり感情移入することができるし、これが漫画全編に漂う「MONSTER」ばりの暗く重々しい雰囲気と相まって、未だ登場しない悪人に対する恐怖心や憎悪、好奇心を増幅させる。

王道といえば王道だけど、つまり絶対に退屈しないエンタテイメント。「地上最大のロボット」を読んで既に話の展開を熟知している人も十分楽しませるところにやっぱり浦沢直樹のすごさを痛感しちゃう。

1巻の最後で、大本命のアトムがいよいよ登場。早く続きが見たいよ~!

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