【微ネタバレ】映画『クーリエ:最高機密の運び屋』 | HYGGE 創作活動·読書感想

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やっと観て来れました。

ベネディクト・カンバーバッチ主演『クーリエ:最高機密の運び屋』。



以下、ネタバレです。

(画像は公式サイトより)

いや、終盤のカンバーバッチの痩せ方がエグい!
典型的なリトルグレイかと思うほどに頬骨があらわになり、白い肌が恐ろしく荒れている。


感動系の映画、というカテゴリではないはずなのですが、終盤うるうるの涙腺にきてしまいました。

ソ連の独房に収容されたウィンをはるばる訪ねてきた妻が
「キューバからミサイルが撤去された」
といい、直後にソ連側の係官によってそれにまつわる発言を止められます。

でもこの一言だけで十分だった。

後世の人間ならキューバ危機の顛末についてそれぐらいのことは知っているわけですが、あのタイミングで身柄を拘禁されたウィンには知る余地もありません。自分が捕まったあと、果たしていまだ米ソの対立が臨界点のまま留まっているのか、さらなる悪化を見せているのかさえ。

自分とアレックス(ペンコフスキー)の行動は無駄に終わったのではなかった、と。

その後、アレックスとの思わぬ対面。ソ連当局はウィンを揺さぶり、都合の良い発言を引き出すきっかけに利用してやろうと考えていたわけですが、ウィンはアレックスに上とほぼ同じシンプルな事実だけを伝えるだけで良かった。
それでアレックスも自分の背信行為にきちんと意味があったのだとーーたとえ処刑という運命は確実であろうともーー感じることが出来たはずです。

「我々のような平凡な人間から、世界は変わるのかもーー」
歴史を動かした。
イギリスとソ連のふたりが、平和へと踏み出す一歩となったことを1960年代当時の人々は知るよしもなかったのだけれども。

(志田佑)


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