最終日は試験があります。
私はアオを看てくれるために、
岐阜から来てくれている母に、
何度も愚痴りました。
「行きたくないよ~。
私だけ落ちるに決まっている。」
母も
「それだけレベルが違うと、
ケン先生も認定できないと思う。
看板を背負ってインストラクターをするわけだから、
あまりレベルが低いとIYCの質も下がるしね。」
そして、ついに母が
「お金はもったいないけど、
そこまで無理して行って、
恥ずかしい思いや惨めな思いを
する必要はないんじゃない?
最終日は行くのやめなよ。」
と言い出しました。
ひねくれものの私は、行くな、と言われて、
やっぱり頑張って最後まで行こう、と思いました。
とにかく事の結末をこの目で見よう、と思いました。
みんなの前で一人だけ落ちたとしても、
この講習は本当に意義のあるものであったし、
それだけでも十分です。
帰りの電車の中で私はヘトヘトでした。
家に着いたのは夜の9時半です。
私はずっと手に握り締めていた認定書を
すぐに母に見せようとしました。
寝室の扉を開けると、
グォ~グォ~と大きないびきが・・・。
アオの世話がよほど疲れたようです。
次の日も、母は結果について
一向に尋ねませんでした。
私も何となくタイミングを計っていました。
かなり時間がたってから、
ついでのように母が結果を尋ねました。
「何とか受かったよ。」
と言うと、母は一瞬言葉を失っていました。