2000年、私が23歳の頃。
3回目のインド。一人旅を始めてまだ一か月経たないくらいの時の話です。
アウランガーバードからバスで15時間かけてパナジに到着した。
インドと聞くとイギリス領のイメージが強いけど、このパナジのあるゴア州は1961年までポルトガル領だった。
街並もヨーロッパっぽくて雰囲気がいい。教会も多いみたいだ。
早速有名なパナジ教会に行ってみると真っ白でとってもきれいだった。なんかインドじゃないみたい。
写真はこちらからお借りしました。
物乞いの女の子が来たから、一人だけだと思って1ルピーあげると、
どこからか仲間が「私も!」「私も!」と5人も現れた。
えーーーーーっと思ったけど、一人にあげたら他の子にもあげないと不公平。
しょうがないなぁ。と全員にあげる。
今度から周りをよく見てからあげるようにしようっと
教会の向かいにあったハンバーガー屋さんに入ると、そこでは堂々とビーフバーガーが売られていた。
えーっ?ビーフ食べられるの~??
クリスチャンが多いから?
卵と野菜もたっぷり入ったビーフバーガーとポテトとコールスローのセットで45RS=約112円。
コールスローは驚きのまずさだった
店内はエアコンがガンガン掛かってて涼しい~~~。
洋楽まで掛かってて、インドに居る事をしばし忘れてリラックス
そこからオールドゴアに向かおうとバスに乗ると、バスの車掌さんは
「次オールドゴアだから来い。」
と言いながら、ちゃっかり私の手をずっと握ってた。
インド人てほんと触りたがり。
まあこの程度ならかわいいから許せるけど。
ボムジェズ教会へ。
画像はこちらからお借りしました。
外側は古くて崩れ落ちそうだったけど、
中に入ると口がぽかーーーーーんと開いてしまう程美しかった
インド人が教会で祈ってる姿を見るのは何だか不思議な気分。
ここには1552年に亡くなったフランシスコ・ザビエルの遺体も安置されていて、その棺も見ることが出来た。
遺体は10年に一度公開されるらしい。
2014年に公開された時の写真が見たい方はこちらからミイラ化してるね。
翌日はアンジュナビーチに向かった。
バスはどこ?って聞いたインド人に
「Are you South African?」
って聞かれてビックリ。どいう事??
ゴアは、60~70年代のヒッピーの全盛期に三大聖地(ゴア、カトマンズ、カブール)の一つと言われていた場所。
深夜特急の時代でもあるヒッピー全盛期のインドに興味があった私は、
ヒッピー文化の名残を求めてゴアにやってきたのだった。
そこには今でもガンジャやその他のドラッグをやる旅行者が集まっていると言う。
まだインドに入ったばかりで超健全な旅行者だった私にはそう言ったものは無縁だったけど、怖いもの見たさもあった。
アンジュナビーチで開かれるフリマで出店している欧米人は、
ヒッピー時代の生き残りみたいなファッションの中高年がいっぱいいて面白かった。
ずっとゴアに住み着いてるのかな?
食堂に入って食べていると、日本人のカップル(26歳&18歳)が入って来た。
もう一か月以上ゴアに居ると言う。
私から見たらすごく退屈そうな場所なのに長期滞在をしている日本人が結構いるらしい。
「いつも何してるの?」って聞くと、
「お昼過ぎまで寝て~、バイク乗ってパーティーの情報集めに行って~、夜は音楽鳴ってるから踊って~、クサ吸って~。そんな感じ。」
それで一か月!!???
何やってんだ???
「クサ今何種類か持ってるよ~。」
って言ってて、やっぱりゴアってそういうところなんだなぁと思った。
食堂の壁には
“SAY NO TO DRUGS-GOA POLICE”
ってポスターが貼ってあったけど、こんな普通っぽい日本人でも普通に持ってる。
アンジュナビーチに来てみたものの、そもそもビーチは興味ないし、
周辺を回ろうと思ってもバイクに乗れないと全く動けないし、
パーティーにもトランスにも興味ないし、クサも吸わない私は何をして過ごせばいいのかわからなかった。
歩いていると、デリーの空港からタクシーをシェアしたT美さんにバッタリ会った。
インド慣れしてそうだった彼女は、
デリーから北部のマナリに行って上等なハシシ(大麻の樹脂をすりつぶして固めたもの)を仕入れて来たんだと言っていた。
えー!女の子でもそう言う人居るんだとびっくりした。
そしてもう一人日本人の男性Uさんにも会った。
日本ではコピーライターをしていたと言う彼も、やはり2カ月以上ゴアに居ると言う。
T美さんの友人が居ると言う場所に一緒に行こうと誘われて、Uさんの運転するバイクに三人乗りをして向かった。
T美さんの友人と言う男性は長いドレッドで、ベランダのハンモックに寝転がってガンジャを吸っていた。
部屋の中に入ると、モクモクと煙が立ち込めていて、
5人程の日本人の男女がハシシとタバコの葉を混ぜたものをパイプに詰めて回していた。
香辛料みたいな匂いがした。
初めて見るその光景に私は驚きながらも興味津々で、
「それ何ですか?」とか
「今何をしてるんですか?」
とか聞いていた。
彼らは意外なことに
「あ、キミは吸わない人なんだね。」
と言って、やってみたら~?とか勧めて来ることは一切なかった。
吸い過ぎで喉の調子が悪いと言って、
みんなフィニッシュコーワをシュッシュッってしながら吸っていた。
これね。
観光ビザの6か月間丸々ゴアで過ごすためにインドに来ている人も居たし、殆どがゴア目的で長期滞在をしている人だった。
デリーからインドに入り、観光地や遺跡や宮殿や寺院などを積極的に周って来て、毎日が新しい発見と学びの連続だった私には、
ただダラダラとガンジャを吸ってるだけの彼らの時間の過ごし方がすごく無駄に思えたし、
一体何のために旅をしているんだろうと疑問に思った。
彼らの会話の中心は、
「いかにして質のいいドラッグを手に入れるか」
ばかりで、それが彼らの旅の目的みたいなものだった。
彼らの話を聞きながら、自分とは全く違う種類の人間だと思った。
しばらくして、居心地が悪そうにしている私に気が付いたのか、
Uさんが行こうかと言ってくれて、バイクで夜ご飯に連れて行ってくれた。
Uさんは年上だったけど、23歳の私にもずっと敬語を使って話してくれるのが印象的で、
さっきの場に居た人たちと比べるとかなりまともに見えたし、頭の回転の速い彼と喋っているのは楽しかった。
2カ月以上滞在しているUさんは、美味しいご飯屋さんを知り尽くしているようで、
チベット料理屋さんでモモとトゥクパを食べさせてもらった。
どちらも初めて食べるものだったけどとっても美味しかった。
めちゃくちゃ美味しいアイスの載ったストロベリーシェイク屋さんに連れて行ってくれた後は、
宿の近くまで送ってくれてバイバイした。Uさん優しかったな。
いつもなら日が落ちたら一人では一切出歩かないで宿に篭もってるけど、
今日はUさんのお陰で夜に出掛けられたし、バイクでゴアの景色も見せてもらえたし、よかった。
翌日、今日アンジュナに来たばかりと言う28歳の日本人男性と知り合った。
彼は、会社を辞めて香港、東南アジア、チベット、ネパール、インドと旅して来て、インドに入って3カ月だと言う。
今は旅疲れの時期なのかしんどいし、何を見ても感動しなくなってしまって旅が面白くないと言っていた。
そんなこともあるんだな。
それでもこれからパキスタン、イランと西へ進んで行くそうだ。
彼は私と同じく、“吸わない、バイク乗れない、パーティー行かない仲間”だったから、
ここはつまんないね、早く出たいね、と話していた。
インドには色んな種類の旅行者が居るんだなぁ。
パナジやオールドゴアは楽しかったけど、ゴアのビーチは全然好きになれなかった。
インドで一番好きじゃない場所かも。
二度とゴアには行かない。と23歳の私は誓ったのでした。
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