2000年にインドに長期滞在していた時の話です。

 

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私がボランティアでカルカッタに長期滞在していた時、

母親が日本食などをいっぱい詰めた荷物を2回送ってくれた。



1回目は何も問題なく宿まで届いた。

 

 

梅干、味噌汁、レトルトの肉じゃが、どん兵衛、魚の缶詰、ふりかけ、ゼリーにポカリに日本のお菓子・・・

ドミのみんなで分け合って、美味しいねぇ~って言いながら楽しく食べた。

 

 

3か月後、2回目に荷物を送ってくれた時には、

 

“1304Rsを持って○○郵便局に荷物を取りに来い”


という紙切れだけが宿に届いた。


「1304RS??どう言う事???」

 

 

と、何のことかわからないままカルカッタの大きな郵便局へ向かった。


カウンターに行くと、


「1304Rs払え。」
「はぁ?何で?」


「アイドンノー。払う事になってるから払え。」

「理由がなきゃ払えない。何で?」


「アイドンノー。いいから払え。」
「中身とか、重さとかそういう基準で?」


「さぁ、アイドンノー。払わなきゃ渡せない。」

「でも、前回送ってもらった時は、何にも払わなかったけど?」



「アイドンノー。」


納得できる説明もなしで素直に1304Rsもの大金(3200円くらい)を払える訳がない。

 


送ってきてくれた中身よりも高い。
ちなみに当時の私の宿代が75RSだったことを考えると、1304RSがどれだけ大金かわかるでしょ?



この男と話してても埒が明かないと、


「ボスと話したい。」

と言うと、しばらくして上司らしき男の所に連れて行かれた。


「この人が1304Rs払えって言うんだけど、理由をちゃんと説明してくれなきゃこんな大金払えないんだけど。

前回は1ルピーも払ってないのに何で?」

 

 

と言うと、

 


「アイドンノー。でも君は払う事になってるから払わなくちゃいけない。」

「は????」


同じようなやり取りが、何度も何度も繰り返される。うんざりしてきた。

 

 

「アイドンノー。」と繰り返す、全く誠実さが感じられないヘラヘラした態度に腹が立ってきて、



「もーー!!ちゃんとアタシの話聞いて よ!!!」

 


と、そのボスの手を軽くはたいた。
ほんとに軽~~~~~~くだよ。

ねぇ!みたいな感じで。


その瞬間ヘラヘラしていた二人の態度が

急変


「お前今何をしたんだ!!ボスの手を叩いたな!!お前みたいなやつにはもう荷物は渡さん!!」



と逆上して、ものすごい勢いで階段を降りて行きオフィスの中へ入って行くと、

鍵のかかる戸棚の中へ私の荷物を放り込んでしまった。



そして、「WAIT!!!」と後を追いかけて行った私の首根っこを掴むと、

 

 

「GET OUT!!!」

と、何度も突き飛ばした。



首がガクンガクンなりながらすごい勢いでドアの外まで突き飛ばされ、バターーーン!!と戸を閉められた。


私は湧き上がる怒りと恐怖で声を上げて泣き始めた。

 


人に暴力らしい暴力を振るわれたのはその時が生まれて初めてでショックだったし、男の人の力の強さにも恐怖を感じた。



郵便局の廊下で泣いていると、そのうち野次馬が何十人も集まってきて私を取り囲んだ。


郵便局の職員達だった。
私を指差し、コソコソと「あいつがボスの手を叩いたらしいぞ。」などと言っているのが仕草でわかる。


中には私に向かってすごい剣幕で怒鳴り散らす男もいた。


その野次馬達にも頭に来て、


「何見てんのよ!!あっちに行きなさいよ!!」

 

と泣きながら叫んだ。(気ぃ強かったなぁポーン

 


過呼吸になるほど泣いたのは子供の頃以来初めてだ。



そこへ、騒ぎを聞きつけたその郵便局のトップの男の人がやってきた。



その人は、とても穏やかに話をしてくれ、私の気分も落ち着いてきた。


でも、その人の答えもやっぱり


「アイドンノー。でも、君は払わなくちゃいけないことになってるんだ。」


だった。


そして、


「キミの振る舞いは感心できないねぇ。キミみたいな日本人の女の子は初めて見たよ。

いいかい?こんなことをしたら危ないから、これからは気をつけなくてはいけないよ。」

 


と穏やかに諭された。


私はもう諦めて、お金を払う事にした。

心身共にヘトヘトに疲れ切っていた。

 

 

受け取りにはパスポートが必要だったから、一旦宿に戻ってパスポートを持って郵便局に戻ると、

 


警官が待ち構えていた。

 


「怪しい日本人だ」と思われ、警官にパスポートチェックまでされたのだ。

 

 

警官に色々質問され、問題ない人物だと判断された後やっと、

1304Rsと暴力と引き換えに、母の愛情の証であるカップヌードルとどん兵衛とレトルト牛丼を手に入れた。

 


後日、インド人と結婚して何十年もインドに住んでいる日本人の女性にこの出来事を話すと、



「インドでは、重さとか中身とかに関係なく、無作為に荷物に税金を課すことがあるのよ。

 

特に祭りの前とかには、政府がどんどん税金を取れという指示を出すの。


納得はいかないだろうけど、課された者は運が悪かったと思って諦めて払うしかないのよ。つらかったねぇぐすん



って説明してくれた。
何だそれ!!!納得いかない!!!!

(友達が日本大使館留めで小包を送ってくれた時はやっぱり1ルピーも課されなかった。)

 

 

きっとその女性も数々の理不尽なことに耐えてきたんだろうなぁ。

 

 

私は初めてのインド一人旅でこの時までに沢山嫌な目に遭ってきて、

インド人に舐められてたまるか!負けてたまるか!って思っていた。

 

 

若かった私は、強い態度と言葉で怒りをぶつける方法しか戦い方を知らなくて、しょっ中インド人と喧嘩していた。

 

 

今なら当時よりもっと英語も話せるし、だいぶ丸くなったから、もっと穏便に上手く解決することが出来るのかなと思う。



その日の日記には、

 

 

「コノヤロー インド人め。私に暴力振るうなんて。いつか全滅させてやる!!!

(施設の子供たちと一部のいい人以外!)

インド人なんて大〜〜〜〜〜キライ!!

 

 

って書いてあった 笑

(この後更に9回インド行ってるけど・・・)

 

 

これは20年も前の話だけど、もしこれが今の出来事だったら、取り囲む野次馬たちにスマホで動画を撮られ、

 

 

“郵便局で泣き叫ぶ1304ルピーを払いくない日本人の女”の動画は

あっという間にSNSで世界中に拡散されて日本の恥と呼ばれていたかもしれない。

 

 

あーーー恐ろしい世の中だ滝汗

20年前でよかった。

 

 

もう二度と郵便局では逆らいません。

軽くでも手ははたきません。

 

 

以上、青かった頃の私の最大の失敗談でした!

 

 

 

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