今日の北欧ニュースは、「デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・日本」から！
注目を集める期待の北欧監督作が選出！日本も存在感を放つ！第77回カンヌ国際映画祭
毎年、北欧や日本の映画が注目を浴びることが多いカンヌ国際映画祭。同映画祭は今年、5月14日から25日まで、フランスのカンヌにて第77回を迎える。
オフィシャルセレクション（公式出品作）が4月11日に発表され、最高賞となるパルム・ドール候補作品が並ぶコンペティション部門には、計22作品がノミネート。北欧の監督作も見られた。
まず、近年、映画界で突出した才能を見せるイラン系デンマーク人のアリ・アッバシ監督最新作の『ジ・アプレンティス（The Apprentice）〔原題〕』（カナダ、デンマーク、アイルランド、米国合作）がコンペティション部門に選出された。
この作品の脚本はガブリエル・シャーマンが手掛けており、1970年代から80年代にかけて、ドナルド・トランプがニューヨーク不動産業を始めるまでの物語が描かれている。アッバシ監督は、カンヌ国際映画祭では、2018年に『ボーダー』である視点部門を受賞。2022年に『Holy Spider』でパルム・ドール候補にあがったが、受賞は逃している。
さらに、スウェーデンのマグヌス・フォン・ホーン監督による『針を持つ少女（Pigen med nålen／The Girl with the Needle）』（デンマーク、ポーランド、スウェーデン合作）がコンペティション部門に選出された。1910年代のコペンハーゲンで起きた幼児殺人犯ダグマー・オーヴァーベイの実話を描いた物語である。
過去には、初監督長編映画である『The Here After〔英題〕』（2015年）が、カンヌ国際映画祭の監督週間に出品。さらに、第73回カンヌ国際映画祭で『スウェット』（2020年）が公式出品され、第33回東京国際映画祭でも上映されている。
また、毎年注目を集める「ある視点部門」では、ノルウェーの若手監督ハルフダン・ウルマン・トンデルの長編初監督作品『Armand（原題）』が選出された。ある視点部門の他に、カメラ・ドール賞の候補にもあがっている。
ハルフダン・ウルマン・トンデル監督は、スウェーデン映画の巨匠、イングマール・ベルイマン監督作に数多く出演していた女優の一人、リヴ・ウルマンの孫にあたる。ヨアキム・トリアー監督の『テルマ』（2017年）でセカンドユニット／アシスタントディレクターを務めている。
『Armand』は、6歳の少年アルマンドが、小学校の親友に対して境界線を越えたある疑いで告発されるという、ノルウェーの小学校で起きた事件を描いたもの。ヨアキム・トリアー監督の『わたしは最悪。』（2021年）で好演を見せたレナーテ・レインスヴェが主演を務める。
北欧では、2022年（第75回）のカンヌ国際映画祭で、スウェーデンのリューベン・オストルンド監督が『逆転のトライアングル』で最高賞のパルム・ドールを受賞している。
https://www.festival-cannes.com/en/
フランス・カンヌ Photo by Mike Kit / pexels
北欧ニュース編集員：
ハルフダン・ウルマン・トンデル監督は、あの名女優、リヴ・ウルマンのお孫さんなんですね！
『The Apprentice』、『針を持つ少女』、『Armand』、いずれもとても期待されている注目の作品だそうですよ。日本でも公開されるといいですね🥰
もちろん、日本の作品も存在感を放っております！
まず、ある視点部門に、奥山大史監督の『ぼくのお日さま』（2024年9月公開）が選出（日本人監督として史上最年少で選出！）。また、映画界で大きな業績を残した人々を称える「名誉パルム・ドール」に、日本のアニメスタジオであるスタジオジブリが選出されました。おめでとうございます👏🎉
さらには、今回の第77回カンヌ国際映画祭公式ポスタービジュアルに、黒澤明監督の『八月の狂詩曲』(1991年)のワンシーンが採用されました。リチャード・ギアが出演している作品ですね。
▼こちらからご覧いただけます。
黒澤監督の晩年の作品『八月の狂詩曲』は、「すべてのものが団結し、調和を求めることの大切さを思い出させてくれる」と評されています。
https://www.festival-cannes.com/en/press/press-releases/the-official-poster-of-the-77th-festival-de-cannes/
※次号はGW明けになります。
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