今日の北欧ニュースは、「ノルウェー・エストニア」から！
欧州各都市の魅力をアピールするEUの取り組み「欧州文化首都」。今年はどの都市？
1985年に発足し、多面的な文化遺産を紹介することを目的としたEUの取り組みで、毎年複数国が担当する欧州文化首都。2024年は、オーストリアとノルウェー、エストニアの都市が選ばれている。
EUが指定した欧州文化首都になると、そこで1年間集中的に文化行事が行われる。毎年2～3都市が欧州文化首都の役目を担う。
初めは、各国の首都やカルチャー面での色が濃い都市が選出されていた。しかし、芸術や文化を紹介するだけでなく、観光客も誘致することができるということがわかり、欧州文化首都は、経済効果のある大きいプロジェクトとして発展してきた。
2024年は、オーストリアの都市バート・イシュル、ノルウェー北部で2番目に大きい都市ボード―、エストニア南部の中心都市タルトゥの3都市が欧州文化首都として1年間にわたり文化イベント開催し、世界中からの訪問客に文化や歴史・伝統を紹介する。
ボードーは、ノルウェーの北極圏とサーミ文化で知られる都市。ノルウェー北部最大の都市部であり、急速に拡大している地域でもある。また、北極圏に位置する初の欧州文化首都として、ノルウェー北部のヌールラン地域全体の沿岸文化にも焦点を当てる予定だ。
ボードーのプログラムは、サーミ文化を多く取り上げている。先住民族のサーミの人々は、ノルウェー・スウェーデン・フィンランドに独自の議会を持っている。伝統文化をはじめ、サーミ語の保存にも力を入れており、注目を集めるに違いない。
エストニアのタルトゥは、首都タリンに次ぐ第2の都市。首都のタリンが政治や商業の中心であるのに対し、タルトゥはエストニアの学問・文化の中心地。エストニア最古のタルトゥ大学があり、学術思想、イノベーション、文化発展の都市として知られている。
北欧5カ国で欧州文化首都を務めるのは久しぶりで、2017年のデンマーク・オーフス以来。バルト三国では2022年のリトアニア・カウナス以来となる。2023年は、ギリシャ・エレウシス、ハンガリー・ヴェスプレーム、ルーマニア・ティミショアラだった。
2025年は、スロベニアのノヴァ・ゴリツァ／イタリアのゴリツィア2都市共同と、ドイツのケムニッツ。2026年は、フィンランドのオウルとスロバキアのトレンチーンに決定している。
＜2024年欧州文化首都＞
ノルウェー ボードー
https://www.bodo2024.no/
エストニア タルトゥ
http://www.tartu2024.ee/en
オーストリア バート・イシュル
https://www.salzkammergut-2024.at/
ボードー Photo by op23 / pexels
ボードー Photo by op23 / pexels
タルトゥ Photo by Rattatiir Tartus
タルトゥ Ⓒ Tartu2024
北欧ニュース編集員：
今年は北欧とバルト三国の2都市、ボードーとタルトゥに注目！
欧州文化首都に指定されている1年間は、さまざまなプロジェクトが企画されているので、どこに旅行に行こうかなと迷ったときには、率先して欧州文化首都をチェックしてみるのが良さそう。
オーストリアのバート・イシュルは、ドイツの作曲家のヨハネス・ブラームスが、ここでクラリネット五重奏曲を完成させるなど、縁のある地だそうですよ。
＜北欧ニュース＞
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