こんにちは爆笑

気持ちの良いお天気!
外をゆったりお散歩したい気分ですが、お仕事もお家もスケジュールがタイト気味で、ひーひー言っております~(;^_^A

さて、遅くなりましたが、日本最大級の映画祭、第28回東京国際映画祭が10月31日に閉幕!クロージングでは、各賞の発表、表彰式が行われました。


●各部門の受賞作品、受賞者●


<コンペティション部門>
東京グランプリ:『ニーゼ』
審査員特別賞:『スリー・オブ・アス』
最優秀監督賞:ムスタファ・カラ監督『カランダールの雪』
最優秀女優賞:グロリア・ピレス『ニーゼ』
最優秀男優賞:ローラン・モラー/ルイス・ホフマン『地雷と少年兵』
最優秀芸術貢献賞:『家族の映画』

<アジアの未来部門>
作品賞:『孤島の葬列』
国際交流基金特別賞:デグナー監督『告別』


<日本映画スプラッシュ部門>
作品賞:『ケンとカズ』


WOWOW賞:『カランダールの雪』
観客賞:『神様の思し召し』


北欧で唯一コンペ部門に出品されていたデンマークのマーチン・ピータ・サンフリト監督によるデンマーク・ドイツ合作『地雷と少年兵』(アジアン・プレミア)ですが、なんと、軍曹カールを演じたデンマーク人俳優ローラン・モラーと、メインの少年兵役、ドイツ人俳優ルイス・ホフマンに最優秀男優賞が贈られました!


(左から、マーチン・ピータ・サンフリト監督、主演のローラン・モラー、マイケル・クリスチヤン・ライクス プロデューサー)受賞おめでとうございます!! (C)2015 TIFF


この物語は、子ども達に地雷を撤去させていたという、実際にあったデンマークの暗い過去に焦点があてられています。デンマークでもあまり知られていない事実。ロケ地も実際に地雷が埋められていた場所だったとか。

戦時中、デンマークの海岸に埋められたとてつもない数の地雷。自分たちの土地「Land of Mine」を取り戻すため、ドイツ軍が仕掛けた「Landmine(地雷)」の撤去しなければならない。その作業にあたるのは、素人同然の少年兵たちでした。危険な目にさらされようが、使い捨てのようにまた新しい少年兵を送り込むという状況。


この少年たちの監督にあたっていたのが鬼軍曹カール。憎きナチ兵とはいえど、繰り返される悲劇と先の見えない絶望感が襲いかかってきます。少年兵からふるさとの両親の話を聞いたときに、思わずうつむくカールの表情は見逃せないシーン。

早く故郷ドイツに帰りたいホフマン演じる少年兵と心を通わせつつ、地雷撤去を遂行しなければならない重圧との狭間で、ある致命的な出来事が起こってしまう・・・

ほんのり想像がついているのに、ちょっとした先が暗闇で残酷。撤去作業の練習シーンからものすごい緊張感で、直視できないし、息もできないほど。あっ、だいじょうぶだった・・・とホッとしたその瞬間・・・。こんなことが何度も繰り返され、見ている側も絶望感を味わってしまいます。

上からの命令に心を鬼にしながら、でもどうやって少年たちを守ってやろうか・・・カールの葛藤がひしひしと伝わってきました。


美しい浜辺と空、太陽。少年たちがほんの少し見せた笑顔が、どれほどまぶしかったことか。
子どもたちの笑顔は、希望をもたらせてくれます。


戦争は、戦時中たくさんの人を傷つける。残った者もまた、心に傷を負う。
もう誰も死んでほしくない。戦争はだめだ。繰り返してはいけない。
そう深く心に残る、メッセージ力の強い作品でした。

デンマークでは今年12月に公開する『地雷と少年兵』。
なんと、来年、日本での公開も決定したそうです!!


『地雷と少年兵(英題:Land of Mine)』 (c) Danish Film Institute

トレーラー:https://youtu.be/boLjulS1wwU


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