北海道一週 「リバイバル急行大雪号」 ③ 一万円札と弟を守れ! | TC隊長

北海道一週 「リバイバル急行大雪号」 ③ 一万円札と弟を守れ!

つづき








ピロロロロロロロロロロロロロロロロ音符
(発車ベル)








14時32分








北海道一周急行大雪号
間もなく発車いたしま~すっ!





隊長

「ホレッお客さんっあせる
早く乗って乗ってぇ~あせるあせる

次の上川駅でも長時間停車あるからさぁ~あせる

またそこで写真撮ればいいっしょあせる

ホレホレッ!」
(゜ロ゜)あせる





ピョーーーーーーーッ音符




デ テ ン デ テ ン

デ テ ン デ テ ン!




デ テ ン デ テ ン

デ テ ン デ テ ン!





ピョーーーッ音符





ガシャゴショ
ガシャゴショ
ガタタンガタン!

(ダブルクロスポイントレール通過音)





デテン デテン

デテン デテン!





デテン デテン

デテン デテン!





キンコンカンコンケンコンカンコン音符音符

(車内オルゴール)





「皆さま 北海道一週 急行大雪号 ただいま遠軽駅を2分遅れで発車しましたあせる





汗





(だから早く乗ってって言ったのにしょぼん
客車急行は時間を挽回するのがキツイのですよパー)




スイッチバックした急行大雪はまず「がんぼう岩」の麓を通り過ぎます!

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岩の上で数人がカメラ構えてましたが写メだと分からないかな?
^^;





瀬戸瀬(せとせ)駅が近づいてくると湧別川を横断します。
TC隊長-DVC00414.jpg

橋のたもとに鉄道ファンが挟まるようにカメラ構えていて笑えます
^^;





笑えるのだけれど、
笑えない





写真は芸術、それはすなわち自己表現の方法・証であるからして、
この人達は入念な情報収集と下見、天気と相談しながら「ここだっ!」と決めてやって来るのです。


その一発必中のショットのために仕事を調整し、休みを取り、貯金し、或いは借金しショック!
カミさんから「アンタまた列車追いかけてほっつき歩いてくんのかい?むかっ
どこにそんな金あんのさっビックリマーク
たまには家事も手伝ったらどうなのさっむかっ
なんていうオトガメにも屈することなく、なんとかかんとかやって来ている人もいるのですしょぼん



そこいらの観光地でオバチャン達が使い方も分からんデジカメひっさげて、
「あ゙ぁ~っ、失敗しちゃったあせる
顔半分写ってないけんどま゙ぁ~いっかぁ~(笑)」なんて写真とは重みが違うのですよ
ヾ(´・ω・`)





お客様達は遠軽駅ではしゃぎ過ぎたようで、
ここから次の停車駅である上川に近づくまでは静かにお過ごしでしたニコニコ





がっ、

しかし!





石北峠を越え、程なく上川駅に停車するや否や
(゚゚)?

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怒涛の如く降りたお客様達は対岸ホームに猛ダッシュあせる

ところ狭しとカメラの峰列をつくります
( ̄▽ ̄;)



何を狙ってるかと言いますと、間もなく追い付いてくる「特急オホーツク号」と我が「急行大雪号」がホームで並んだシーンを撮影するために並んでいるのですあせる





ピッピッピッピッピッピィーーーッ!!!!むかっ



車掌の笛がけたたましく鳴り響き

「ホラホラァーービックリマーク
危ないからもっと下がって下がってぇーー!!
線路に降りたらダメだよーーむかっ!!!!



車掌や駅員が注意喚起するも、
我を忘れた鉄ッチャン(鉄道ファン)達には響かない汗





プァ~~~~ン音符
(汽笛)





タタン タタン!

タ タ ン タ タ ン!

タ タ ン タ タ ン!

タ タ ン タ タ ン!




スラントノーズ車両を先頭にした「特急オホーツク号」が滑り込んできました!

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北海道外から遥々やってきたお客様にしてみると、カクカクと角がある顔した183系スラントノーズ車両も今や希少価値が高いのでしょう。

ましてやどちらも石北本線に長らく君臨してきた優等列車ですから。





特急オホーツク号が札幌に向かって先行してゆき、
急行大雪号も今や遅しと出発を待ちます!
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グラングラングラングランとアイドリング音を響かせ待機するディーゼル機関車は出走前の馬のよう馬








16時32分





車掌

「9710列車運転士さんどぉーぞぉー!?





運転士

「はい!こちら9710列車運転士!」





車掌

「9710列車 発車ぁ~ビックリマーク






ピョーーーーーッ音符





シューーーッ!

(ブレーキ解除音)





デ テ ン


デ テ ン!





デ テ ン


デ テ ン!




デ テ ン

デ テ ン!



デテン

デテン!





ピョーーーッ音符





上川駅を出発し、旭川駅までは広大な田園風景が拡がりはじめます。

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米どころ秋田の人に怒られそうですが、米の生産高に関するならば北海道が一番なのですショック!





で、

隊長は田んぼを眺めながらオニギリを食うおにぎり
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オニギリの源を眺めながらオニギリを食うおにぎり



お米を使ったメニューは数あれど、オニギリを凌ぐものは無いと思います。

これほど画期的で美味しくて、見た目が面白い物って他にあるのかな。。




因みに隊長は、オニギリより「おむすび」という表現のほうが好きです。

現代ではオニギリ=コンビニみたいなイメージがありまして、、

だけど「おむすび」にはどことなく郷愁を感ずるというか、母の匂いがするというか。。





添乗員には短い昼食のひと時あせる

隊長は列車の中で、
お客様が当日宿泊するホテルの部屋の割り振りをしたり、
翌日の弁当の手配をしたり、
今回同行している新人添乗員に鉄道ファン相手の仕事のノウハウを伝授したり、
車内のゴミ集めに廻ったり、
トイレ掃除をしたり、
車内温度調節に廻ったり、
「添乗員さん?北海道一周号なのになんで稚内へは行かないの?」
なんて問い掛けに対し、
「あ゙ーっ、私もそう思いますっあせる」と、軽く受け流したり汗
ツアー企画担当者や車掌との打ち合わせもありますし、
オニギリの写メも撮ったりと忙しい汗





お茶でオニギリを流し込んでたらあっという間に旭川駅に滑り込んでしまいましたあせる
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ここで車内に溜まっていたゴミを一気に吐き出してクリーンスタッフのオッチャンに処分していただく!
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旭川駅は近年新築されまして、風情もへったくれも無くなりました汗

そこら辺の新幹線駅みたいな味も素っ気も無い画一的な建物です汗



ですから昭和の老兵(急行大雪号)はあまり似合わないというか、居心地が悪そうですなパー
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それでも鉄チャン達はシャッターの集中砲火を浴びせますあせる
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隣のホームには後輩の特急「スーパーカムイ」が停車しておりまして、
これくらい若々しい車体だと近代的な駅も様になるものです汗

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真新しいステージにAKBが現れて、でも全員40代だったら血の気引くでしょ?





汗





サッサとここから逃げ出そうと、
アイドリングを一際大きく轟かせる老兵
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ピロロロロロロロロロロロロロロロロロ音符
(発車ベル)





18時06分





出発進行!!





ピョーーーーーッ音符





デ テ ン

デ テ ン!





デ テ ン

デ テ ン!




デ テ ン

デ テ ン!



デテン

デテン!





真新しい高架橋はまるで新幹線のよう
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日が落ちてきました
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ここから終着札幌までは直線・高速カーブが続くハイスピード路線であり、
後輩格の特急スーパーカムイやスーパー宗谷などは時速130㌔で疾走してゆく。



対して老兵DD51型ディーゼル機関車が牽引する急行大雪号の最高速度は95㌔あせる

スピード化時代にはあるまじき鈍足ですが、
なんというか短距離ランナーとお相撲さんを比較するようなものであり、
そのどちらにもやるべき仕事というものがあるでしょう。



そして速さと迫力は比例しません!



線路ぎわに佇んで列車が通過するのを楽しんでいますと、
130㌔で疾走してくるスーパー特急はシャーーッビックリマークと走ってきて直ぐ消える印象ですし、

「ほぉ~アップっ!」

と言った感想です。



でも、老兵DD51型ディーゼル機関車が重連で寝台特急北斗星やトワイライトエクスプレスなどを牽いて
4400馬力のエンジン音を全開に轟かせ迫ってきますと、
たとえ95㌔であっても

「お゙っ!ショック!

お゙ぉーアップビックリマークあせる

ぬ゙ぉーーーーーーーっ!!!!!!あせる

てなド迫力がありますあせる


これが更に蒸気機関車だったりすると、
それはもうバケモノに見えて大概の子供は恐怖で泣き出しますパー








列車の影が映りましたニコニコ
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途中駅でしばし羽を休めます
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隊長が初めてこのDD51 1142機に出会ったのは中学生の時でした。



あれから軽く30年は過ぎてますが、
この機関車はいったいどれだけの距離を走り続けてきたのでしょうね。

地球何周分とかのレベルなのかなショック!





見慣れた札幌の風景が見えてくると





キンコンカンコンケンコンカンコン音符
(車内オルゴール)





「皆さま 長らくのご乗車 大変お疲れさまでした

日本一周 急行大雪号

次は終着札幌です」

以下省略





12時間を超えるロングランを続けてきた急行大雪号は、
大勢のファンが見守る札幌駅に静かに滑り込みましたニコニコ
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急行大雪。。








その列車名が復活すると聞いたとき

身震いしました








幼い頃から父や母と何度も乗ってきた思い出深き列車








父がある日、小学生だった隊長に向かって

「オマエ!たまには一人で汽車に乗って遠軽まで行ってこいっ!」

そんなふうに送り出してくれたこともありました







そのあくる年

今度は隊長ひとりではなく五つも年下の弟を連れ、遠軽まで夜行急行大雪に乗る機会を与えてくれました








きっと、父や母は本当は心配で心配でしょうがなかったんじゃないかと思います








「何かあったら遣うんだぞっ!」
と、ポケットに一万円札を忍ばせてくれた








初めて触った一万円








弟を守るのと、一万円札を守るのに必死で道中何度も何度もポケットを確認したし、
弟の顔色も伺った








おかげで列車を楽しむどころでは無かったです(笑)








でも、帰ってきたら父が

「大人になったな!」

と言ってくれました。。
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つづく