これは、前回、前々回に引き続き、2024年7月28日(日)に行われた、とある初老のチームのある競技の夏季加盟団体戦の戦いの記録である。

 

前回までの状況は、以前の記事参照

 

さて、気になる予選リーグは現在2勝0敗で、あと1勝すれば突破。

予選最終戦の相手はN山中学A、粒揃いで侮れない。どこの中学校が相手であれ、油断すればたちまちに敗北へと誘われてしまう。気を引き締めていかからなければならない。

まず1番手はしんじ・フッキーペア。フッキーは調子の波が激しく、良いときは良いが、悪いときは悪い。今回は調子が悪く、相手後衛に狙われ、前衛アタックを度々受けるが、うまく対処できていない。それに気をよくした相手後衛はチャンスとみるやフッキーを狙い、ポイントを重ねる。応援している仲間たちはハラハラだ。しかし、後衛のしんじは今回の試合は頑張っている。気を抜いたプレーをせず、しっかりと皆からの教えを守ったプレーだ。今試合に限ってはロブ禁ヘタレしんじはどこにもいなかった。そんなしんじの頑張りで、試合はファイナルまでもつれたが何とか勝利。今回のしんじはいつもと一味違う様だ。リンダを筆頭に皆「今日のしんじは良いよ!よくラケットをふれているよ!」と応援する。そんな声援をうけるしんじの表情は複雑だ。キョウノシンジハイイヨ・・・・いつもは良くないみたいじゃないか!と言いたげだが、大人のしんじは余計なことは言わない。

今回調子のよいしんじに続けとばかり、2番手のミネ・シマペア、3番手のリンダ・スガペアも危なげなく勝利。予選3連勝で決勝リーグへと駒を進める事に。

 

未だ予選通して1試合も落としていない、皆調子が良い、もしかして今回は優勝出来るか、と思い始めているが、オーダー決定係のシマちゃんの表情は暗い。皆調子が良い為、誰をメンバーにいれ、誰を外さなければならないか、悩みは尽きない。先ほどの試合でオギをメンバーに選ばなかった際、メンバー発表後のオギは「俺の名前呼ばれました?呼ばれてない様に思ったのですが、俺は何番目ですか?」と大きな声で荒ぶっていた。今回はメンバー人数が多い為、必ず2名応援及び審判専門で試合に出ないメンバーが出るのは仕方がないことなのだ。そんな中、オギを横目でみつめるしまちゃんの表情は苦虫をかみつぶした様であった。いつもの事務所での不遜な態度で、「うるせぇ、黙って従え!!!」と一喝すればよいのだが、ここではそうではないらしい。チーム代表者の心境は複雑である。

 

さて、次はいよいよ決勝リーグ。各ブロックから勝ち上がってきた猛者たちとぶつかるのだ。この時点でベスト4以上は確定、次の試合は準決勝である。

 

決勝第1戦はA〇Cというベテラン名選手の揃ったチーム。昨年の秋の団体戦で我々が敗北している強敵チームだ。

1番手はオギ・フッキーペア。相手は老齢のペアでさらに前衛は70歳半ば、使用しているラケットは往年のニューナンバーワン、40年位前に一世を風靡した名ラケット。まさに選手もラケットも老いて益々盛んである。また、それぞれのペアの合計年齢で行けば、オギ・フッキーは相手ペアの約半分で75歳位、相手ペアは推定145歳位。さすがに負けられないという事で、何とか勝利。フッキーの調子も少し戻ってきた様だ。

2番手はミネ・シマペア、しては女性選手と大会役員Mす田さんのペア。年配と女性選手はシマちゃんの大好物、嬉しそうな表情で試合に挑む。が、ミネオの出だしが悪い。イージーミスを連発してしまい、たちまち2ゲームを失ってしまった。シマちゃんもぼーっとした表情で何故か集中できていない。死人の様な表情でうろうろとしている。中身がどこかに飛んで行ってしまったようだ。あと1ゲーム落としたら敗北で3番手勝負になってしまう。3番手出場予定のスガは責任のある試合が苦手なため、憂鬱な気分になっていた。が、4ゲーム目あたりでしまちゃんの中身ががどこかから戻ってきた。まるで別人のように動きが良い、ボレーを決めだした。そうなるとシマちゃんは調子に乗り始めるタイプ。ミネも調子が戻ってきた様だ。いつも通りのミネ・シマの力が出せれば負ける相手ではない。追いついてファイナル勝負になったが、最後だけは常に先行で危なげなく勝利。最初からそうすればよいのに、と皆思った。

この時点でA〇C戦は2勝で勝利、次はいよいよ決勝。決勝の相手はまだ決定していないが、初優勝目指して皆も気合が入っている。

 

決勝の相手は恐らく、幾度となくしまちゃんファミリーの前に立ちふさがってきた憎まれっ子競技委員長F氏と帽子がトレードマークの赤帽子氏を擁するT成クラブであろうと予想していた。が、決勝進出を決定するT成クラブとAKつきクラブとの試合、3番勝負になり、激戦の結果、AKつきクラブの選手が帽子氏を下して勝利!AKつきクラブ、さらなる強豪の出現である。

 

そんな決勝前オーダー係のシマちゃんが胃を痛くして悩みに悩んだ決勝のオーダーは1番手リンダ・フッキーペア、2番手やまちん・スガペア、3番手ミネ・シマペアだった。

いよいよ決勝、雨がポツポツと降り始めるなか、決勝の試合開始。まずはリンダ・フッキーペアの登場。前の試合、そしてその前の試合でなかなか波に乗れないフッキー、わざわざロブを追ってのミスなど、痛いミスをしていた為、試合開始前は皆の心に一抹の不安が残っていたが、この試合は中身が入れ替わったかのように動きが良い。触るボール触るボール会心でポイントにつながる。非常に調子が良い。気をよくしたペアのリンダも大した働きをする事無く勝利。幸先の良いスタートである。2番手はやまちん・スガペア。相手はなかなか名の知れたペア。非常に強敵だ。おまけに雨も降り続く。試合開始、最初に1ゲーム取られるが、スガは冷静だ。慌てることなく、次ゲーム以降は自分のやれる事をしっかりとやり、気負わず冷静にプレー続ける。自分の守備範囲は堅い守りで、相手からの攻撃のサイド抜きも蝶の様なバックボレーで跳ね返してポイントにつなげる。まさにキャリアハイ。やまちんも粘り強くボールを繋げ、3-1で勝利。この瞬間2-0で、優勝が決定した!!!。

 

しまちゃんファミリー団体戦出場5回目にして初優勝を飾った!!。ふと振り返ると、しまちゃんの眼には涙が。鬼の目にも涙とはこの事か。皆一様に嬉しそうだが、スガの表情だけはキリっとしていた。追われる立場になる大変さを分かっており、次の大会に向けていろいろと考えているのだ。

ましてや、今回はライバルであるT成クラブやH電クラブとも相対していない。本当に喜ぶのは彼らを倒して優勝した時なのだ。次の大会は9月上旬、そこに向けてのスタートは今始まったばかりなのだ。

 

ゆけ!しまちゃんファミリー、負けるな!しまちゃんファミリー

 

唯一全試合出場 立役者 S・S