アルツハイマー病のような神経変性疾患では、タンパク質が凝集を起こしているのが確認されます。この凝集が病気の原因なのかどうかということが議論されています。

 

 

 

日本生化学会

 

 

タンパク質の凝集を防ぐシステムが細胞の中にあり、シャペロンによる品質管理と呼ばれています。細胞内のタンパク質の品質管理を細胞は行っており、エネルギーを消費してそれを行っています。つまりエネルギーを消費して細胞内の化学反応系のエントロピー(系の無秩序さ)を減少させているわけです。

 

 

細胞は代謝の需要を満たすエネルギー供給が実現できなくなるとアポトーシス(プログラム細胞死)を起こします。神経変性疾患で観られるタンパクの凝集は、細胞内の化学反応系のエントロピーが増えている証であり、エネルギー供給に問題が出ていると言えるのではないでしょうか。

 

 

ではなぜエネルギー供給に問題が起こるのかということについて考えてみると

 

 ①血管になんらかの形で問題が起きると、栄養素の供給が制限されることが考えられます。

 

 ②ミトコンドリアの機能になんらかの異常がある

 

 

 

この2つの要因の複合的な事象の結果、エネルギーの供給が不足し、細胞のアポトーシスが加速していくということが老化の原因のシナリオとして考えられるのではないでしょうか。