その日から、私は実家に帰れなくなりました。

Fの家から、帰ることが出来なくなりました。

まず、とにかく全てにおいて不安が大きかったです。

電車に乗ること、これからの仕事のこと、家にいること。

そして、実家にいる自分が想像すると、とても怖くなりました。

それは、もう恐怖でしかありませんでした。

元から二日ほどFの家に泊まる予定だったのですが、アルバイトのシフトが真っ白になったことと、Fの傍にいる居心地の良さから、実家がますます憂鬱な場所になりました。

アルバイト先に連絡を入れるのも、電話自体が怖くなっていたため出来ませんでした。

そこで、妹に職場への伝言を頼みました。もう暫く休ませてください、と。

ギリギリの人数でやっていたので、シフトを回すのは本当に大変だったと思います。

本当に、申し訳ないことをしました。

それでもすぐに、休んでいていいよ、来られる時においでと言ってくれた職場のみんなには、感謝しかありません。

そして父にも、妹から少しFの家に泊まってゆく、と伝言して貰いました。

それが当時の精一杯だったのだと思います。

妹にもたくさん迷惑をかけました。

共に頑張ってきた相棒を突然失い、しんどかったと思います。

今思い出しても、申し訳ないことをしてしまったと反省しています。

それでも、全てを投げうってでも、自分の場所から消えたかった。

そうしないと、死んでしまいそうだった。

父を、殺してしまいそうだった。とても苦しい記憶です。 


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