老人ホームに入居している
父方の叔父に久しぶりに
電話をしました。


体調を聞くと決まって
「大丈夫だ。」
と、私に気を遣い言っていますが、
体調は不安定です。

命の危機に晒された時期もありました。


その頃から
私の三姉妹の姉と
考え方の違いがはっきり見えてきて
ギクシャクし始めました。

そして、
現在は完全に絶縁状態です。




叔父は若い頃、離婚をしていて
ずっと独り暮らしでした。


その叔父が
「生きているうちに我が子に会いたい。」
と漏らしたので、

私は、消息不明の叔父の一人息子を
探しだそうとしました。


しかし、
姉の怒りを買ってしまい、
母にも止められ、
諦めることを余儀なくされました。


そこから、こじれにこじれて
姉は
「今後一切、叔父の面倒を見ない!」
と宣言しました。


私に賛同してくれるのは、妹だけです。


妹と二人で隠れるようにして
年に一、ニ度
叔父の老人ホームを訪ねます。




姉は怒りを全面に出してくるので
私は逆に冷静になれます。


姉と話し合いをしている度に
思っていたのは

正義とは一体何だろう?
という気持ちです。


お互い、自分が正しいと思って
主張をしています。


近くで叔父を看て、
忙しい合間に世話をしていた姉と、
遠くから傍観していただけの私。


やはり、
私には発言する権利は
認められないのかもしれません。



しかし、
生きている間に我が子に会いたい、
という叔父の願いを

叶えてあげることが、
そんなにいけないことなのでしょうか?




82歳の叔父の心を想うと

私の中の
大きなお節介魂と
叩きのめされた小さな正義が
再び揺れ動いてしまうのです。