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北欧ナイフでお気軽アウトドア

北欧のナイフの話題や、それらを使った気軽なアウトドア、ブッシュクラフトについて書いていきます。

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今日は、マイクロテック(Microtech)のナイフのお話し。

購入したものの、正式なモデル名は、MICROTECH 114-10 SOCOM ALPHA TANTO STONEWASHED。

 

 

最近、ちょっと北欧のナイフは生活の一部になっている感があって、何か、久しぶりに(?)タクティカルっぽいナイフへの傾倒があるんです。

 

 

で、以前にも記事にしましたが、今、Amazonなんかを見てみても、やたら安いナイフってあるじゃないですか。

聞いたことのないブランド名がついていて、しばらくするとまた別のブランド名が冠されているような。

常に正しい、というわけではないものの、ナイフの世界ってやっぱり値段とクオリティが比例することがあって、特に一定以上の価格になると、「デキ」が違ってくるということがよくあります。

 

 

そこでようやく、マイクロテックに手を出してみようと思い至ったわけでした。

まぁ、御託はともかく、モノをご覧いただきましょう。

 

 

ちょっと加工して、カッコよく撮りました。

本当は、タントーポイントじゃないもののほうがよかったんですが、御存じの通り、マイクロテックのナイフは流通量が少なく、また、すぐに売れてしまうので、とにもかくにも購入してしまおう、と。

それに、このくらいの価格帯だと、タントー部分はどうなのか? という好奇心も若干ありました。

 

 

総評から行きましょうか。

気になる点は確かにいくつかある。けれども、やはりハイクオリティのナイフだなぁ、という印象。

 

 

まずフォルム。

どうでしょう? 正直私は最初「ちょっぴり野暮ったいな」と思いました。

タントーって、直線のストレートエッジがあって、そこからまた短いストレートのエッジで構成されている、シャープなイメージがありませんか?

 

 

けれども、このソーコム アルファはストレートエッジではなく、ちょっとふっくらとした、言ってしまえば「魚の腹」みたいなエッジラインをしているんですよね。

なので、なんとなーく、野暮ったい印象があったのですが……実際のところ、ゆるやかなカーブになっていることで、撫で切るような動作が楽ですし、例えばまな板の上で何かを切ったりする時にはやりやすい。

いわゆるカッティングタスクがやりやすい形状だったのです。

 

 

また、形状としては「魚の腹」なんていいましたが、片面、タントー部分を含めて4面の削りがなされており、よくよく見てみると、意外なほど洗練されていることに気づきます。

 

 

ちなみにエッジ。

M390という鋼材のようです。箱出しでは、指で触っても「切れる感じ」はあまり感じませんでした。

が、すね毛を剃ってみるとパラパラと剃れていく感じ。

私がよく言う「切れ感」には乏しいけれども、きちんと鋭い刃が付いていることはわかります。

 

 

けど、やっぱりそこは自分好みの刃にしたいじゃないですか。

で、いつものスパイダルコのやつを使って、少し刃を研いでみることにしました。

 

 

 

 

 

この茶色の方を使いました。

大抵のナイフは、これでしっかりと研げるので、私は全幅の信頼をおいているんですけれども、今回に限っては、ちょっと磨いてみても「????」という感じでした。

研げているのかどうかわからないような感じ。

そこで、使い古しのダイヤ砥石の#1000を使ってみたら、かなりグッドな結果になりました。

 

 

 

 

 

この下のやつかな。

私は3本くらい持っています。

そんなに使い込んでおらず、ガリガリと削れるヤツ、それなりに使い込んだやつ、使い古しているやつ。それぞれに役目があります。

 

 

使い古したものとはいえ、一応ダイヤ砥石ですから、研いだあとはそれなりに「バリバリ」とした感触が出てくるものです。

が、今回は、そんなこともなくて、切れ感はありつつも、箱出しにあった「ツツっ」としたエッジになりました。

必要に応じて、スパイダルコで仕上げてあげても面白いかもしれませんね。

M390という鋼材、私は初めてなので、今後も使ってみて検証を続けていきたいですね。

 

 

お次はシース。

 

 

これ分かりますか?

シースに入れた状態から抜くための、「親指を押し込む場所」です。

もう一枚の方が分かりやすいかな。

 

 

ナイフを握ったまま、親指を使って、グーッと押し込むようにすると、ナイフが抜けるというわけ。

これ、地味だけれども案外実装されているシース少ないですよ。

「これだよこれ!」という感じ。

シースそのものは、カーボン調のカイデックシース+テックロックの組み合わせです。

 

 

あと、肝心のタントー部分ですが、

 

 

これだけ見ると、綺麗にまっすぐに削れているような気がしますでしょう?

けど、案外そうでもないんです。砥石にあてても当たる場所、当たらない場所がありますし、案外ビシッと削られているわけでもない。ちょーっと内反りになっていますし、エッジの厚みも均一ではない。

ただ、わりとタントーってそういう感じなのかなぁ、と思っています。その中では、結構いい線いってる方だとも思いますけれどもね。

 

 

あとは、ハンドルのシェイプはちょっと気になるかなー。

ハンドルエンドにいくにしたがって細くなっていくので、なんか握った時に座りがわるい気がしますね。

自分はパラコードを付けて、小指をひっかけられるようにしました。

 

 

果たして、値段相応の価値があるのかどうか、そこまではまだわかりません。

けれども、高いだけのことはあるな、と。

 

 

ビクトリノックスやモーラナイフのように、低価格でありながら高い品質をもったメーカーがあるのも事実。

けれども、高いものにはそれなりの理由がある、というのが分かるナイフです。

 

 

正直、タントーポイントなのはマイナスなんですが、なんとか野外で使ってみて、また続報を折に触れてお届けできればと思います。

 

 

今日は大分長くなったので、このへんで。

それでは、また。