Vol.4 先手必勝!

先日のセミナーで面白い話を聞きました。それはズバリ、信長と秀吉の話です。

まだ身分が足軽だった秀吉が草履を懐で温めて、主人の信長が出かけるのを待っていた話。

小学校のときからよく聞いていました。自分の主人のためにそこまでして奉公する美談として後世まで語り継がれています。

自分のイメージもそういったものでした。

しかし!先日のセミナーで視点が裏返りました。あの織田信長が腰巾着みたいな人間を重宝するだろうか?ひたすら主人に対する服従心をアピールするだけの男を出世させるだろうか。

織田信長は秀吉という男をどのように見ていたのか。それは「先見力」ではないでしょうか。

秀吉は信長がどのように動くのかを読んでいた。これから京を目指して進軍するには、どうしても墨俣に城が必要だ。城を築くには、上流に展開している集団と仲良くなっておく必要がある。だから、命令されるまでにネットワークを築きあげていた。そして、先を読んでおらず闇雲に城を築こうとして失敗する先輩を尻目にチャンスを図っていた。そして、3日で築城した。すべては秀吉のシナリオ通り。

ビジネスもそうなのかもしれませんね。クライアントやターゲットとしている市場は何を欲しがっているのか。欲しがっているものを推測して、次から次へと投入していく。言われる前にやる。クライアントが何を欲しいかがわかってからでは、時すでに遅し。

あらゆる周辺情報からニーズを読み取り、そして動く。もちろん、100%当たることはないでしょう。外れた戦略に投下した費用はムダなのか?外れた理由は正解への一番のヒントとなるでしょう。

コストをかけて、推測できるあらゆる戦略を実行し、練り上げていく。

面白いようで難しいことかもしれませんが・・・・「 クライアントに先手必勝」は重要なビジョンですね。

都市伝説ってよく聞きます。例えば、芸風を維持するために成長抑制剤を打っているという双子の芸人・ザたっち。華道家のカリヤザキショウゴ氏が花粉を撒き散らしているという都市伝説もありました。

一見、もっともらしいというかちょっと納得できるけど、まったくのデタラメなのが都市伝説。

経営の世界でも、「都市伝説」と思われることが多いですよね。その中でも一番有名なのが、コスト削減至上主義という都市伝説。

ムリ・ムラ・ムダの排除とかいろいろなスローガンを掲げて経費を抑えようとしている企業をよく見かけます。確かにコストを削ること=キャッシュアウトを減らすことですから、とても重要なことです。しかしながら、大事な経費まで削る必要はないのです。

例えるなら、シェイプアップ=ダイエットは精神的にも身体的にもとてもいいことです。しかし、ダイエットといって、自分の命まで削る人はいませんよね。

企業で言う「自分の命」ってなんでしょうか。それは間違いなく自社の商品でありサービスです。

コスト削減ということで、自社の命である商品の原価を下げてしまったり、サービスレベルを下げてしまったり。自分都合のコスト削減は必ずお客様に伝わります。1円の原価低減によりお客様が離れてしまったら、コスト削減の効果の何倍もの売上減少を引き起こすことでしょう。

コストをかけないといけないポイントは必ず存在します。永続的に行き続けるという命題を背負った企業は、つまり永続的に成長していかないといけません。そのためには自分を磨き続けないといけません。自分を磨くにはどうしてもお金はかかるのです。

もちろん、必要以上に過大な事務所家賃や過大な交際費などはどんどん削減するべきだと思います。悲しいかな、必要なコストを無意識に削減してしまう経営者に限って、コピー機の待機電力などまったくもって些細なコストを気にするんですよね・・・

会社に限らず、私達も自分のスキルアップにつながる投資はどんどんしていくべきだと思います。自社、自分の成長に繋がることにお金をかけていけば、そのお金は何倍もの価値になって自社、自分の将来に貢献してくれることでしょう。

私も今後、同伴は居酒屋にして、浮いた分をセミナー・本などに投資していきます(?)

北海道の大平原の中を一本の道が通っています。地平線の果てまでまっすぐ続く一本道。その一本道に一本の電柱がたっています。道幅も狭いわけでもなく、むしろ広い道。

しかし、その電柱に激突する事故が頻繁に起こるそうです。

真っ直ぐの道で、なぜ、一本の電柱にぶつかる!?

とあるサーキットでカーレースの講習をしています。それもスピンしたときの練習です。スピンした瞬間、教官は生徒の首をしっかり掴み、壁ではなくコースから眼を背けないようにするそうです。なぜ?

それは、フォーカスしたものが現実化するからです。一本道の一本の電柱にぶつかりたくない!と鮮明に激突イメージを膨らませるのでハンドルはそちらに向います。スピンしたときに、ぶつかりたくない壁にフォーカスしたら、当然、壁にむかいます。

日常生活でもありませんか?自分の中で、「 これは多分、失敗するなぁ・・・」と思ったことは、ほとんど失敗します。ゴルフで、「 多分、池ポチャか~!」 と思ったら、やっぱり池に入るでしょう。ごく自然に。自分の中で失敗することにフォーカスしている=自分で失敗しようとしているわけですから、成功するわけがありません。逆もまた真なり。本当に自分は成功すると頑なに、そして自然に信じている人は・・・やっぱり成功していますよね。

私が新卒で入った証券会社の同期。当時からいつも夢のようなことを言っていました。自分も含めて、周りもまるで信じていませんでした。できるわけないと。でも、本人はごく自然に信じていたのでしょう。そのとき話していた彼の夢はもうすぐ実現します。自分が100%信じていたから。

自分の夢の現実を信じぬけることができる人が圧倒的に少ないですよね。たいがい、何かトラブル・困難に見舞われたときに、見事なまでにネガティブイメージに包まれてしまいます。そう考えると人間のネガティブマインド錬金術は素晴らしいものです。

繰り返します。フォーカスするものが現実化するのだと思います。

だったら、トラブル・困難に見舞われたときほど、例え小さな事でも「できる事」にフォーカスしてみませんか?どちらでもフォーカスできるのです。だったらプラスのできる事にフォーカスしたいですね。もちろん、今、一番自分に言い聞かせています。(私もネガティブマインド錬金術得意なので)

できる事にフォーカスしたら、視界は良好・・いいや、絶好調です。

できる事にフォーカス=一つのForward Visionです。お後がよろしいようで。それではまた次回!