誰ともなく、人の訪れるのを待っている母。
 
あんなに知らない人とは口を効くこともなかったのに
老いるとともに少しずつ角も取れて。。。。
今日も訪れる人もないのに
それでもヘルパーさんの帰った時間人待ち顔で。。。。。
 
午後も3時を回ると風も幾分冷たくなって・・・・
 
「ばあちゃん、お茶飲んだらコスモスでも見てくるか。。。。」
「うん、行く。。。」
 
母がアザミの花が好きなのは知っている。
後は何?
庭隅には仏壇や父の墓所に持っていく小菊が植わっている。
 
まだ幾分かは体力も気力もあった頃は
茄子を植えて、それなりに喜んでいたけれど
今はそんな手間のかからない小菊でいっぱいなのかも。
 
 
随分と涼しさを感ずるけれど
「ばあちゃん、セーターでも羽織らんと外は寒いぞ・・・」
「うん、分かった・・・・」
 
体調のいい時は言葉は続く。
それが言葉は短く受け答えだけ。。。。
 
だから車に乗るだけでもう涙ぐんでいる母を見るのは辛い・・・・
だからコスモス畑を見に行くのでなく近くの田んぼに植えられたコスモス。
 
群生したコスモスはそれなりに華やかだけど
まばらに咲くコスモスは侘しさをも感じさせる。
 
そして風に揺れる薄紅のコスモスの花を母と見ていると
 
山口百恵の『秋桜』を思い出す。
 
 
♪淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている
此頃、涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くりかえす
 独言みたいに小さな声で
こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みて来る・・・・・

・・・・・・こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの子供で いさせてください
 
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